校長室から

修了式

 緊急事態宣言が解除され、今日の令和2年度修了式は、久しぶりに在校生のすべてを体育館に集めて実施しました。感染症拡大のリバウンドや第4波の到来が心配される世の中ですが、やはり、意義のある必要な行事は、感染症対策に万全を期した上で、実施することが大切だと考えます。
 そのことは生徒たちの表情から気づかされました。集合時刻の10分前には整然と並び、誰一人おしゃべりをすることなく、式のスタートを待っていました。おかけで8分も早く式を始めることができました。

 それは、式典等に臨む素晴らしい心的態度であり、いずみ高生の誇りであると改めて気づかされました。

 

  

【校長講話】

 皆さん、おはようございます。

 緊急事態宣言が解除され、今朝はこうして、久しぶりにいずみ高生が体育館に一堂に会することができました。
 しかし、油断は禁物です。感染のリバウンド、第4波の到来が懸念される中での宣言解除ですから、引き続き感染防止に努めてください。

 コロナ禍で明け暮れた令和2年度が終了します。
 思うような取組ができなかったり、何かと制約づくめの毎日で、辟易してしまうこともあったかもしれません。しかし、ものは考えようで、ステイホームと3密を避けるというニューノーマルの時代は、皆さんに自分自身を見つめ直すことや、成長のためのエネルギーを蓄積する時間を創り出したとは言えないでしょうか。
 ステイホーム中、YouTubeで数多くの動画を観た、好きな作家の小説を一気読みした、サブスクリプションサービスで、音楽や映画、ドラマやアニメ作品を堪能した、こうした経験は、皆さんの心を成長させる肥しとなったはずです。私も、この1年間はいつもの年より、多くの本を読みましたし、音楽や映画などを家で観る機会がたくさんありました。心にとてもよい栄養を届けられたと思っています。 

 年度末に当たり、この1年間を振り返るとともに、新たな学年に進級して、新たな目標、新たなゴールをイメージしようとしている皆さんに、少しばかりのエールを送りたいと思います。

 今朝は、「成功する人の10か条」を紹介します。

 これは、元々は大和ハウス工業会長の樋口武男さんの「成功する人の12か条、失敗する人の12か条」がオリジナルのようですが、「成功する」のパートのみ、高校生向けに10に絞り込んでみたものです。改めて10か条を見てみますと、なるほどと思う内容ばかりです。皆さんが新学期をどんな気持ちで迎え、どんなスタートを切るのか、そのときに心の片隅に、この10か条を皆さんの指針の一つに加えていただければ幸いです。 

 1つ目は「人間的成長を求め続ける」です。
 学生でも社会人でも、人は生涯にわたって学び続ける存在です。人間としての成長に終わりはありません。永遠なる未完、これこそが成長のかたちであり、今日の皆さんはこれまでのすべての経験によって創り上げられているのだと理解すべきです。無駄なことなんて一つもありません。人間的な成長を続ける姿こそが、人としての魅力につながるのだと思います。 

 2つ目は「自信と誇りを持つ」ことです。
 自分に自信があると胸を張れる人は少ないと思います。でも、やがて大人になる皆さんには、いつかは自信と誇りに溢れる大人に成長してもらいたいと思います。勉強でも、課外活動でも、部活動でも、将来の自信やプライドにつながる何かに全力投球してください。何かの分野に自信をもち、自らのプライドによって人は立つのです。 

 3つ目は「常に明確な目標を指向」する、です。
 心をマネジメントするというお話をしたことがありますが、人の心は自分自信の言葉(声)によって動き出すものです。目標やゴールをしっかり心に描き、現状とのギャップをよく把握して、何が不足しているのか、どんな努力が必要なのかといった、具体的な努力の道筋を立てることが大切です。自分の心には常にポジティブな言葉がけをするべきです。 

 4つ目は「他人の幸福に役立ちたい」です。
 「誰かの役に立ちたい」、これは人間が抱くごく普通の感情であり、他人の幸福に役立つことは、自分自身の幸せにもつながる行動でもあります。他人の幸せのために頑張ることが、廻り回って、実は自分の幸福につながるのだということを忘れないでください。人生を幸せに送りたければ、「誰かのためになる」「社会のために貢献する」ことに努力を注げはよいのです。 

 5つ目は「失敗も成功につなげる」ことです。
 失敗は成功の母と言いますが、発明王のトーマス・エジソンも数多くの失敗から成功を導き出しています。誤った選択、間違った行動などの結果として生じた失敗は、失敗したそのことよりも、どうやってそこから立ち上がるかの方がはるかに重要です。そのためにも、失敗から学び、何度でも立ち上がる、レジリエンス力を鍛えていくことが大切です。 

 6つ目は「いまここに100%全力投球」です。
 何事にも全力投球できるというのは皆さん方、若者の特権です。躊躇することなく、己の信じるがままに全力を注いでみてください。100%の力で失敗することは、やらずに後悔するのに比べること幾万倍だと思います。全力を出し切ったチャレンジには、その成否にかかわらず、その人を必ず成長させるものだと言えます。

  7つ目は「自己投資を続ける」ことです。
 先ほども、人は生涯にわたって学び続ける存在だと言いました。人間としての成長に終わりはありません。自分へ向けた投資とは、お金だけを指すものではなく、時間も大切な投資対象となります。そして、読書によって新しい知識を獲得したり、世の中で生きるための経験値を積み上げていくための投資が大切になってきます。 

 8つ目は「時間を有効に活用」する、です。
 Time is money(時は金なり)といいます。「時を守る」実践の中で時間を守ることの大切さは十二分に理解しているでしょう。時間を守ることは人との約束を守ることであり、相手をリスペクトすることです。何人にも平等に与えられた時間を有効に活用してください。そして、その限られたリソースを何に投資するかはあなた次第です。 

 9つ目は「できる方法を考える」です。
 複雑化する今日の社会においては、問題解決のため唯一の「正解」を見つけることは極めて困難です。あらゆる方法を試し、問題解決に近づける「至適解」や「最適解」を導く力が求められています。決して諦めず、トライアンドエラーを繰り返してでも、粘り強く真実・真理に近づいていく努力こそが尊いのだと思います。 

 10つ目は「可能性に挑戦し続ける」ことです。
 「諦めたらそこで試合終了ですよ」とは、あるバスケットボール部の監督の言でしたが、本当の才能とは「諦めない心」だと思います。生まれもった才能より、実は、諦めない心の方が、はるかに重要です。諦めさえしなければ、夢が叶う可能性は飛躍的に向上します。夢や希望が成就しないのは、能力がないからではなく、途中で諦めるからなのです。 

 以上が「成功する人の10か条」です。

 皆さんの心に一つでも刺さるものがあれば、今後の学校生活に生かしていただきたいと思います。
 とはいえ、今お話しした10か条すべてを振り返るのは、話を聞いただけでは、かなり困難でしょう。今日のお話は学校ホームページにも掲載していますので、是非読み返してみてください。 

 さて、春は出会いと別れの季節です。
 先日、卒業生と別れたばかりですが、4月になると先生方の異動があり、何人かの先生方は別の学校に転出され、お別れになります。もちろん、新しい先生をお迎えすることにはなるのですが、なんとも淋しい限りです。
 ですが、新しい人との出会いは新たな縁をもたらします。新しい友、新しい先生との出会いから、皆さんの人生が大きく動き出すことだってあります。
 そして、新たな人間関係は、皆さんの新たな面を輝かせるかもしれません。出会いの春に期待するとともに、そうした新たな人間関係構築のための自分磨きをお忘れなく。 

 新型コロナウイルス感染症の蔓延が予断を許さない中で春休みを迎えることになりますが、皆さんにはどうかお元気で。 

 私の話は以上です。

 

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