避難訓練(防災訓練)
さいたま市の中央消防署の皆さんをお招きし、避難訓練を実施しました。
本校では、学年ごとに異なる防災プログラムを体験してもらっています。1年生は救助袋(避難シューター)を使った降下訓練、2年生は起震車体験、3年生は消火器を使った消火活動と煙ハウスの体験をしています。
地震や自然災害が多く発生する日本では、「天災は忘れたころにやってくる」から「災害は忘れずにやってくる」と考える方がよいとも言われています。生徒一人ひとりが高い防災意識をもち、有事の際にしっかりと命を守る行動ができるようになってほしいと思います。

【校長講話】 ※これは予定原稿です。実際に話した内容とは一部異なります。
皆さん、本日の避難訓練はいかがだったでしょうか。
日本は地震大国などと呼ばれます。地体構造上、プレートの境界に位置し、造山運動が激しく、地中には無数の活断層と呼ばれる地震の巣を持っています。そして、多くの人々が暮らしている平野部は、地質学的には、水分をたっぷり含んだ豆腐のような軟弱な地盤からなっていますし、斜面では地滑り・崩壊・土石流などの危険がある。私たちはまさに災害と隣り合わせで生活しているのです。
この国に暮らす以上、何十年かに一度は大きな地震やその他の地盤災害が襲ってくるかもしれないということを理解するとともに、日ごろから防災意識を持つことが大切だと思います。
「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉を聞きますが、最近は「天災は忘れずにやってくる」という方が実情に合っているようです。この「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉は、物理学者であり随筆家でもあった寺田寅彦のものとされています。寺田はその著書の中で「…戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水が来るか今のところ容易に予知することができない。最後通牒も何もなしに突然襲来するのである…」と述べています。
火災もそうです。予告もなしに発生するものです。
ただし、火災は人の不注意から発生することもあるわけで、火の取扱いに十分な注意を払っておけば失火を防ぐことができます。火災で発生する煙の速さは、水平方向では毎秒0.3~0.5mですが、垂直方向にはその10倍のスピードで煙が広がります。この煙には、建材や家具等に含まれる化学物質も含まれますが、何より怖いのは、一酸化炭素を多く含んでいることです。
生命の仕組みを勉強している皆さんならよく知っていると思いますが、生命を維持する上で欠かせない酸素は、血液の赤血球、ヘモグロビンによって体内に運ばれますが、血中に一酸化炭素が入ると、へログロビンの200倍という強さで酸素と結びつき、二酸化炭素に変化します。この反応によって血中内の酸素が失われ、酸素欠乏状態となって死に至るのです。
本日の訓練は、実際の災害にどう対応し、いかに安全に避難するかを体験したわけですが、皆さんは高校生です。小学生のように正しく逃げる、正しく身を守るということだけでなく、災害そのもののメカニズムをよく理解し、防災・減災という視点から、命の守り方を考えてほしいと思います。
この後は、消防署の方からご指導をいただきます。最後までしっかり聴きましょう。
本校では、学年ごとに異なる防災プログラムを体験してもらっています。1年生は救助袋(避難シューター)を使った降下訓練、2年生は起震車体験、3年生は消火器を使った消火活動と煙ハウスの体験をしています。
地震や自然災害が多く発生する日本では、「天災は忘れたころにやってくる」から「災害は忘れずにやってくる」と考える方がよいとも言われています。生徒一人ひとりが高い防災意識をもち、有事の際にしっかりと命を守る行動ができるようになってほしいと思います。
【校長講話】 ※これは予定原稿です。実際に話した内容とは一部異なります。
皆さん、本日の避難訓練はいかがだったでしょうか。
日本は地震大国などと呼ばれます。地体構造上、プレートの境界に位置し、造山運動が激しく、地中には無数の活断層と呼ばれる地震の巣を持っています。そして、多くの人々が暮らしている平野部は、地質学的には、水分をたっぷり含んだ豆腐のような軟弱な地盤からなっていますし、斜面では地滑り・崩壊・土石流などの危険がある。私たちはまさに災害と隣り合わせで生活しているのです。
この国に暮らす以上、何十年かに一度は大きな地震やその他の地盤災害が襲ってくるかもしれないということを理解するとともに、日ごろから防災意識を持つことが大切だと思います。
「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉を聞きますが、最近は「天災は忘れずにやってくる」という方が実情に合っているようです。この「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉は、物理学者であり随筆家でもあった寺田寅彦のものとされています。寺田はその著書の中で「…戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水が来るか今のところ容易に予知することができない。最後通牒も何もなしに突然襲来するのである…」と述べています。
火災もそうです。予告もなしに発生するものです。
ただし、火災は人の不注意から発生することもあるわけで、火の取扱いに十分な注意を払っておけば失火を防ぐことができます。火災で発生する煙の速さは、水平方向では毎秒0.3~0.5mですが、垂直方向にはその10倍のスピードで煙が広がります。この煙には、建材や家具等に含まれる化学物質も含まれますが、何より怖いのは、一酸化炭素を多く含んでいることです。
生命の仕組みを勉強している皆さんならよく知っていると思いますが、生命を維持する上で欠かせない酸素は、血液の赤血球、ヘモグロビンによって体内に運ばれますが、血中に一酸化炭素が入ると、へログロビンの200倍という強さで酸素と結びつき、二酸化炭素に変化します。この反応によって血中内の酸素が失われ、酸素欠乏状態となって死に至るのです。
本日の訓練は、実際の災害にどう対応し、いかに安全に避難するかを体験したわけですが、皆さんは高校生です。小学生のように正しく逃げる、正しく身を守るということだけでなく、災害そのもののメカニズムをよく理解し、防災・減災という視点から、命の守り方を考えてほしいと思います。
この後は、消防署の方からご指導をいただきます。最後までしっかり聴きましょう。