校長室から

2017年4月の記事一覧

進路選択の手引き(校長挨拶2)

 今年度発行する「進路選択の手引き」の巻頭言として、以下の文章を掲載することとしました。刊本前ですが、ご紹介します。

(3年生向け)

進路実現に必要なもの ~夢にかけるハシゴ~

 経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、松下電器産業(現パナソニック)を創業し、一代で世界的な電機メーカー成長させた人物です。彼は実に様々な言葉を残していますが、その中に「なんとしても二階へ上がりたい。どうしても二階へ上がろう。この熱意がハシゴを思いつかせ、階段をつくり上げる。上がっても上がらなくてもと考えている人の頭からは、決してハシゴは生まれない。」というのがあります。
 これは、何かを成すためには、それに果敢に取り組むための情熱・熱意が必要であり、これなくして物事は大成しない、ということを意味しています。技術者でもあった松下幸之助は成功の第一の条件に「熱意」を挙げていましたが、熱意があれば知恵が生まれ、目標に向かうための原動力となっていくと説きました。いかに才能があっても、知識があっても、熱意の乏しい人は絵に描いた餅に等しいと考えていたようです。

 さて、いずみ高校での学びを通して、自分の専門領域を見つけ出し、3年生を迎えたところだと思いますが、皆さんには、保護者の方はもとより、担任や進路指導部の先生など、応援してくれる人が大勢います。必ず希望の道に進めると信じて、目標に向かって果敢にチャレンジしてほしいと思います。夢を実現させたければ、「夢にかけるハシゴ」を用意することが必要です。どんなハシゴをどのようにかけるか、以下を参考にしてみてください。

①自分の将来をイメージしてみる
 好きな学問、好きな職業、そこから将来の自分をイメージしてください。理想的職業人の姿は、広い教養と深い専門的知識を持った人間であるはずです。新しいことにチャレンジできる人間、意欲ある人材を杜会は求めています。

②目標を立て具体的行動計画を練る
 具体的な進学先、資格取得、就職先を考えてみましょう。目標のレベルと現在の自分の力との差を客観的に認識し、苦手科目の克服や必要な資格取得等を具体的に目指すことが大切です。孫子の兵法にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とあります。
 
③初志を貫徹する
 本当にやりたいことは簡単に捨てるべきではありません。人生に二度はありません。多少の困難があっても、希望する進路、目標とする進学・就職先を目指すべきです。皆さんの持つ力が表に出るか、眠ったままでいるか、それはまさに皆さん次第なのです。

④進路選択のため勉強と真の学問としての勉強は一致する
 進路選択のための準備や勉強は付け焼刃とせず、真の実力を蓄えるために活用してください。幅広い教養、読解力、考える力、何より学ぶ意欲は、本質的な学力を高めるものです。本気で学んだことは一生のものとして身につくものです。基礎の勉強をしっかりできるのは、今しかないのです。 

 さあスタートです。皆さんの成功を確信し、先生方は皆さんを応援します。頑張って輝かしい未来を手に入れましょう。
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進路選択の手引き(校長挨拶)

 今年度発行する「進路選択の手引き」の巻頭言として、以下の文章を掲載することとしました。刊本前ですが、ご紹介します。

(1・2年生向け)

進路選択の手引きを手にした君に ~少年よ、大志を抱け!~


 少年よ、大志を抱け!
 あまりにも有名なこのフレーズは、明治政府が米国から札幌農学校(現在の北海道大学農学部)に招いたウィリアム・スミス・クラーク博士(1826~1886)の言葉だとされます。殖産興業を国是としていた時代、北海道開拓を志して農学を学ぶ若人たちに、「大きな志を持て」と呼びかけたものです。近代化を進めるべく勉学に励む若き日本人たちに、自分自身で志を立て、自ら考え行動を起こして、己の大志を貫いてこそ人は大きく成長していくことができると伝えたものです。


 思い出してください、幼いころの夢を。このいずみ高校に入学するときに抱いた大志を。それは皆さんの遥か先にある目標であり、乗り越え、挑戦すべき壁かもしれません。しかし、人間を突き動かすのはそうした夢(大志)に向かって進もうとする強い気持ちなのです。自分自身の夢に向かって、自分自身で目標を立て、それを叶えるために、絶えず努力と挑戦を重ねていく、これこそが夢の持つ力なのです。そして、挑戦をやめないでください。諦めたらそれでゲームセットです。
 これから様々な進路を選択していく皆さん、皆さんの夢は何ですか。それは手の届くところにありますか。どうすればその夢の実現に近づいていけますか。進路を選択していく過程は、自分のキャリアをデザインしていくことです。誰のものでもなく自分自身のために切り拓いていく必要があります。いずみ高校はそんな皆さんの夢の実現を応援します。この手引きを十二分に活用して、輝かしい明日を手にしてください。

 さっぽろ羊ヶ丘展望台(札幌市豊平区)に立つ「丘の上のクラーク像」は、右腕を地平線の彼方に伸ばし、「遙か彼方にある永遠の真理」を指しています。蛇足になりますが、冒頭で紹介した博士の言葉には続きがあるとされています。博士の精神を表すものとして、後年、付け加えられたようです。

「少年よ、大志を抱け。お金のためでなく、自己顕示のためでなく、名誉という空しいもののためでなく、本来、人間があるべき姿のために大志を抱け。」

Boys be ambitious, not for money, not for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing men call fame. But be ambitious for attainment of all that men ought to be.
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シリーズ「いずみ高校の授業②」

 このシリーズでは、いずみ高校の「特色ある授業」を校長が紹介してまいります。

 今朝早く、2年4組の生徒が環境デザイン科の「生徒共同実験実習」に出発しました。この実習は、埼玉県立総合教育センター江南支所(熊谷市御正新田)において、2泊3日の宿泊研修で行われます。
 トラクター等の農機の基本操作や建設機械実習など、普段、学校ではできない実習を行います。戻ってくるころには、トラクターやバックホウなどを自在に使いこなせるようになります。

 

埼玉県立総合教育センター江南支所のページに、上記研修プログラムが紹介されています。
https://ecsweb.center.spec.ed.jp/I001/index.php?action=pages_view_main&page_id=83
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ALTの紹介

 今年度、本校に配属となった外国語指導助手 ALT(Assistant Language Teacher) を紹介します。合衆国オハイオ州出身のParker Abigail Lynn 先生(愛称は「Arianna先生」)です。
 今日の5時間目、3年生のコミュニケーション英語Ⅲでは、初めての授業だったこともあり、ALTの自己紹介を中心に、早速ネイティヴのリスニング指導をしていました。
 生徒の皆さん、校内でArianna先生を見かけたら、積極的に英語で話しかけてみてください。原則、毎週月曜日に本校に来ています。
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いずみツアー

   毎年恒例のPTA行事であるいずみツアーが行われました。90名近くの保護者と生徒やその兄弟姉妹を含む大勢の皆さんに参加していただきました。私も、参加者の皆さんとともに、東京ドームの1.5倍はあるという広大な校地を一緒に歩きました。
   いずみ高校には、他校では見られないような実験・実習の施設があり、ハードウェアの充実度は県内随一ではないかと思います。それにも増して素晴らしいのは、本校の教育スタッフではないでしょうか。自画自賛になりますが、本校の職員が生物や環境教育のプロとして、生き生きと参加者に説明していたのが印象的でした。学校というところは、箱物の価値だけで決まるものではありません。教師という「人」が大切なのだという、当たり前のことに気づかされました。

 

  

     

  
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シリーズ「いずみ高校の授業①」

 このシリーズでは、いずみ高校の「特色ある授業」を校長が紹介してまいります。

 本日紹介するのは、環境建設科の「環境建設実習(3年)」です。環境建設に必要な測量技術やコンクリートの実習、構造物の施工方法に関する実習を行っています。
 この時間は、いずみ高校の北側にある実習用のグラウンドで、測量実習を行っていました。角度を測定する「セオドライト」という器械の備え付けのテストが行われていましたが、このテストでは正確性と時間を評価します。

 

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朝勉強会の様子から









 



   本校では生徒たちの自主勉強の場を毎朝提供しています。
   この「朝勉強」には1年生を中心に多くの生徒たちが参加して、資格や検定試験、就職試験や大学入試に向けた準備に取り組んでいます。
   努力は必ず報われると信じ、生徒の皆さんには頑張ってほしいと思います。いずみ高校の教職員も、生徒たちの力を伸ばすために全力を尽くしています。
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埼玉県農業大学校入学式

   本日午前に行われた「埼玉県農業大学校」の入学式に出席しました。
    この春、本校を卒業した生徒が5名進学しましたが、その数は県内最多です。ぜひ、いずみ高校で培った力を発揮して頑張ってほしいと思います。
  埼玉県農業大学校は平成27年度に熊谷市に移転しました。県産の木材を贅沢に使った建物はとても立派です。みなさんもぜひ足を運んでみてください。
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平成29年度入学式

 本日、239名の新入生を迎え、新たないずみ高校の1年がスタートしました。
新入生の皆さんには、「大きな夢を抱いてほしい」「時を守り、場を清め、礼を尽くす」「挑戦すること」についてお話をしました。
 保護者の皆さんには、ホームページを一緒にみるなどして、週に3回は学校の様子を話題にするよう仕向けること、いずみ高校の魅力をさらによく知っていただくために、年に3回は本校に足を運んでいただくことをお願いしました。


    【入学式・式辞】

 春の息吹を感じる今日の佳き日に、本校PTA会長 鯉沼 素枝 様 をはじめ、御来賓の皆様方、並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、かくも盛大に「平成二十九年度 埼玉県立いずみ高等学校 入学式」を挙行できますことは、本校関係者にとりまして、大きな喜びでございます。御臨席をいただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。
 
ただ今、入学を許可いたしました、二百三十九名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 また、保護者の皆様方におかれましても、お子様の御入学、誠におめでとうございます。心からお慶びを申し上げます。

 本校は与野農工高等学校を前身として、平成十一年に生物系・環境系総合高校として誕生し、今年で十九年目を迎えました。与野農工時代からの五十有余年の歴史と伝統を受け継ぎつつ、いずみ高等学校としての新たな歴史と伝統を着実に築いているところです。歌い継がれる校歌の一節に、「湧きて流れる泉の丘に」というのがありますが、いずみという名は、本校が位置するこの場所に、かつて荒川から地下へと注がれた豊富な地下水が清らかな伏流水として湧き出る「泉」が数多く存在していることに由来しています。

 大地の恵み「水」、これは生きとし生きるものにとって生命の源となる存在です。地球環境に欠かせないものであり、命を誕生させた稀有なる星とならしめ、多くの生き物を育み、人類を誕生させ、文明や文化を生み出しました。

 英語で文化のことを「カルチャー」と言いますが、この言葉の語源は、耕す、耕作するという意味の「カルティベイト」からきています。人類の叡智は、まさに農耕とともに生まれていったのです。

 そう考えを進めていくと、本校での生物や環境の学びは、人類の営みそのものを学んでいることに近いことになります。多くの高校生が、広い意味でのサイエンスや歴史を学ぶことはあっても、人類の文明発祥の契機となった農業や土木のことを先ほどの観点で学ぶ機会はありません。しかし、本校なら、いえ本校こそ、そうした学際的な学びを実践できるのです。

 いずみの名に相応しく、清らかな心を育み、瑞々しいばかりの若者らしさを応援し、社会に対して潤いを与えられる、そんな学校でありたいと思っています。

 さて、そのような本校で、これから三年間学んでいく皆さんに、充実した高校生活として過ごしていくために必要な、そして大切なことを、三つお話させていただきます。

 一つ目は「大きな夢を抱いてほしい」ということです。

 明治の初め、札幌農学校(これは現在の北海道大学農学部ですが)、ここで教鞭をとったクラーク博士の言葉を知っていますか。日本を離れることになった博士は、教え子たちにとの別れに際し、「Boys,be ambitious!(少年よ、大志を抱け)」という言葉を残したと言われています。近代化を進めるべく勉学に励む若き日本人たちに、自分自身で志を立て、自ら考え、行動を起こして、己の大志を貫いてこそ、人は大きく成長していくことができると伝えたかったのでしょう。

 自分で夢を描き、自分で目標を立て、それを叶えるために、絶えず努力と挑戦を重ねていく、これこそが夢の持つ力なのです。皆さんにもそんな心の力となるような大きな志(大志)を抱いてほしいと思います。夢を見るから、人生は輝くのだと思います。

 二つ目は「『時を守り、場を清め、礼を尽くす』これらを実践してほしい」ということです。

 これは教育者であり哲学者であった森信三という方の有名な教えです。

「時を守り」とは、「時間を厳守する」というごく当たり前の教えです。

 最近は、携帯端末の発達により、人との待ち合わせに遅れても、平気な若者が増えたと言います。お互いの状況をリアルタイムで確認し合えるので、時間に遅れるという非常識が、非常識ではなくなってしまったのかもしれません。しかし、学校というところ、そして、その先にある現実の社会においては、時間を守ることは社会人としての最も基本的な常識です。しっかりと時を守りましょう。

 次の「場を清め」については、文字どおり清掃をするという意味だけではなく、心の在り様を説いたものです。つまり、場を清めることで5K、「気づき」「心」「謙虚さ」「感動」「感謝」を磨くということが大切だと言っているのです。もちろん、本校においては、安全を確保するための重要な教えでもあります。機械や薬品を用いる実習の現場では、整理整頓がされていないことが大きな事故の原因にもなり得るのです。場を清め、心を豊かにしましょう。

 最後の「礼を尽くす」ですが、この基本は「挨拶」です。人と人の間には会話や挨拶というコミュニケーションがあり、意思を上手に伝え合っています。挨拶とは、心を開いて相手に近づいていくという意味がありますから、友達に、おうちの方に、先生方に、地域の方にと、心を開いてほしいと思います。挨拶をきっかけに心が通い、心が通えば友情が芽生えます。本校での高校生活の間に「一生の友」と呼べるような、かけがえのない友人を作ってください。


 三つ目は、「挑戦すること」についてです。

 私の好きな言葉に「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」というのがあります。これは、どんなことでも強い意志を持ってやれば必ず成就するということで、やる気の大切さを説いたものです。江戸時代後期、米沢藩主の上杉鷹山が家臣に詠み与えたとされています。やればできる、でもやらなければ何事もできない。できないのは何もしてないからだ、という意味です。皆さんもよく知っている、とある高校のバスケットボールの監督も「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と言っていましたね。

 不可能の反対は可能ではありません。不可能の反対語は挑戦です。挑戦することで必ず何かが生まれてきます。逃げないで、諦めないで、挑戦することを大切にしてください。

 何やら少し難しい話のように聞こえたかもしれません。皆さんが人生で一度限りの高校生活に臨むにあたり、このいずみ高校で、大きな夢を持ち、将来に向けて自己を磨き、常に挑戦し続けることが、皆さんの成長に大事であるということを伝えたかったのです。仲間とともに、本気で挑戦する気持ちを忘れることなく高校生活に取り組んでください。

 そして、そんな皆さんの成長を、本校の教職員は全力でサポートします。どうぞ、このいずみ高校での高校生活を思い切り楽しんでください。

 保護者の皆様におかれましては、重ねてお子様の入学のお慶びを申し上げます。本日、大切なお子様をお預かりいたしました。私たち教職員は、お子様方の力をしっかり伸ばし、三年後にはお子様が心身ともに大きく成長した姿で、いずみ高校を巣立ってくれるよう、全力を尽くしてまいります。

 どうか、御家庭におかれましても、本校の教育に御理解と御協力をいただくとともに、お子様の基本的生活習慣や家庭学習の御指導などに、格別の御協力をお願い申し上げます。

 結びに、御来賓の皆様、並びに御列席の皆様の益々の御健勝、御発展を御祈念申し上げるとともに、今後とも変わらぬ御指導と御鞭撻をお願い申し上げ、式辞といたします。

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平成29年度始業式

【始業式・校長講話】

 皆さん、おはようございます。

 先ほどの着任式でもお話ししましたが、平成29年度当初人事異動により、水石校長の後任として本校に着任いたしました、栗藤です。どうぞよろしくお願いします。
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年生の皆さんが全員揃ったところでお話しするのは初めての機会となります。皆さんは、今日から一つずつ学年が上がって、新しい生活がスタートしたところです。
 3年生は、いずみ高校をリードする最高学年として、高校生活の総仕上げの1年となります。専門分野の学習を深め、資格を取得し、進学や就職に全力投球するのはもちろんのこと、部活動や生徒会活動等にその持てる力を出し切って、悔いのない高校生活を送ってくれることを期待します。
 2年生は、学校の中心的存在として、一人一人がいずみ高校を支えているという自覚を持ち、3年生の先輩たちとともに、本校の伝統をつないでほしいと思います。
 伝統とは、辞書的に言うと、「昔からうけ伝えて来た、有形・無形の風習・しきたり」という意味になりますが、その精神的な面も含めたものを指すものです。形だけ伝えるのではなく、その心を伝えることが大切です。悪いしきたりは因習と言って、弊害を生むばかりでよいことはありません。いずみ高校としてのよいしきたりをつないでほしいのです。

 さて、学年が進み、次なるステージを目の前に、決意を新たにしたり、目標を立てたりと、やる気がみなぎっているはずの皆さんに、今日は「守・破・離」のお話をしたいと思います。
 
茶道、武道、芸術などの世界に「守・破・離」という考え方があります。これは、日本古来から伝わるプロフェッショナル論であり、人がある道を究めるのに歩むべき3段階のことです。皆さんも聞いたことがあるでしょう。いずみ高校での3年間をこの守・破・離で説明すると次のようになります。

守…真似る段階、先生方や先輩方から型を習い、教えられたことを守りながら、その流儀に励む時代となります。いずみ高校1年生の段階です。
その時にはなかなか理解できないのですが、型を身に着けても、すぐにその効果が現れないことがあります。しかし、プロはみな「守」からスタートしているのです。仕事の達人でも必ず「守」からその道に入っていきます。「守」を続けるうちに、それが原点だということがわかってくればしめたものです。
破…考える段階、先生方や先輩方から守を修得して行く中で生まれた葛藤、自分ならこうするという思いで型にアレンジを加えていく時代となります。いずみ高校の2年生の段階です。型破りという言葉もありますが、それはあくまでも、型がきちんと習得できてから破れるものであり、型がないのに「型破り」はできません。それに型破りと言えば、通常は、眉をひそめたくなるような、とんでもない型であることが多いのです。ですから、これを「型なし」と言うんです。
離…卒業、独自の世界を創造する段階、いよいよ独り立ちしていく時代です。いずみ高校を卒業していく姿と考えてもよいのですが、実際にはもっと道のりは長いものです。自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すことで、真のプロフェッショナルになります。完全に基礎の型から離れ、その人のオリジナルを確立する段階となり、世の中でいうところの個性が光る状態です。「離」の境地まで行くには、相当な努力と時間が必要です。世の中の多くのプロは「離」を目指して、日々努力を重ねています。死ぬまで離は続くものかもしれないのです。永遠の未完、これこそが高みを求め続けるプロの姿です。ただし、そうしたプロたちも、みな口をそろえて「やはり基本を忘れてはならない」と力説しています。

 茶道の大家である千利休も「守り尽くして、破るとも、離るるとも本ぞ忘るな」と言っています。この場合の「本」とは基本のことです。やはり基本をおろそかにしては大成しないということなのですね。

 さて、皆さん自身は、今、どの段階にありますか。「守」ですか。「破」ですか。自分の目標、すなわち高みを目指して、努力を重ね、いつかプロとしての境地に到達できるよう頑張ってほしいものです。

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新着任の挨拶

 平成29年度当初人事異動で第18代校長として着任した栗藤(くりとう)と申します。
どうぞよろしくお願いします。

 本校は、生物と環境を学ぶ総合高校として、様々な教育活動に取り組んでおりますが、6学科それぞれ特色ある教育課程による「本校ならでは学び」を進め、スペシャリストの育成に向けて頑張ってまいります。

 毛利元就の「三本の矢」の故事にあるように、力を合わせること、すなわち、チームとして力を発揮することが大切だと考えています。1+1が2よりも大きくなるように、チーム力を発揮して活力ある学校づくりを進めてまいります。
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