2017年9月の記事一覧
湧泉祭・一般公開の様子
本日はいずみ高等学校の文化祭「湧泉祭」に足をお運びいただきまして誠にありがとうございます。文化祭実行委員会の生徒たちが長い時間をかけて、真心を込めて準備してまいりました。
6つの専門学科に属する生徒たちが、専門的な知識と技能を磨くべく日々努力を続けてきた成果の発表です。日ごろ培ったその力を随所にちりばめ、おもてなしの心で準備をして本日を迎えました。若さゆえ、未熟さや粗削りなところもあるかとは思いますが、本校生徒の笑顔にご注目ください。
❖一般公開の様子(9月30日)
6つの専門学科に属する生徒たちが、専門的な知識と技能を磨くべく日々努力を続けてきた成果の発表です。日ごろ培ったその力を随所にちりばめ、おもてなしの心で準備をして本日を迎えました。若さゆえ、未熟さや粗削りなところもあるかとは思いますが、本校生徒の笑顔にご注目ください。
❖一般公開の様子(9月30日)
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第19回湧泉祭(開祭のご挨拶)
【開祭式でのあいさつ】
文化祭のパンフレットに、私は「来校される皆さんに、いずみ高生たちの『泉のような心』を感じ取っていただきたい」と記しました。
泉、すなわち湧き水というのは、清らかで、瑞々しく、潤いを与えるものだと思います。いずみ高校の素晴らしいところを、皆さん自身が表現し、地域の皆さんにしっかり伝えてほしいと思います。ただし、その際、忘れてほしくないのは、「あくまでも上品に」です。
そもそも、文化祭とはなんでしょうか? 文部科学省が定める学習指導要領によれば、「普段の学習活動の成果を生かして、文化・芸術活動に親しむことを目的とするもの」となっています。
しかし、今日ばかりは固いことは言うつもりはありません。文化祭は楽しむものです。学校生活における「非日常が織りなすワンダーランド」なのです。仲間との絆を大切に、元気いっぱい盛り上がって、楽しんください。ただし、はめを外しすぎないように、怪我などしないように。「あくまでも上品に」です。
❖開祭式・オープニングイベントの様子(校内のみの公開)
文化祭のパンフレットに、私は「来校される皆さんに、いずみ高生たちの『泉のような心』を感じ取っていただきたい」と記しました。
泉、すなわち湧き水というのは、清らかで、瑞々しく、潤いを与えるものだと思います。いずみ高校の素晴らしいところを、皆さん自身が表現し、地域の皆さんにしっかり伝えてほしいと思います。ただし、その際、忘れてほしくないのは、「あくまでも上品に」です。
そもそも、文化祭とはなんでしょうか? 文部科学省が定める学習指導要領によれば、「普段の学習活動の成果を生かして、文化・芸術活動に親しむことを目的とするもの」となっています。
しかし、今日ばかりは固いことは言うつもりはありません。文化祭は楽しむものです。学校生活における「非日常が織りなすワンダーランド」なのです。仲間との絆を大切に、元気いっぱい盛り上がって、楽しんください。ただし、はめを外しすぎないように、怪我などしないように。「あくまでも上品に」です。
❖開祭式・オープニングイベントの様子(校内のみの公開)
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協調学習の取組について
次期学習指導要領にも盛り込まれる「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」について、埼玉県では東京大学のCoREF(旧「東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構※」)と共同して「協調学習」に取り組んでいます。
最近では、県教育委員会が実施する初任者研修プログラムの一つに位置付けられています。協調学習が起きやすい環境を支える授業デザインの枠組として「知識構成型ジグソー法」の実践が各県立学校で進められていますが、今年度本校に配属された3名の初任者も精力的に協調学習に取り組んでいます。
研修の一環として行われた研究事業での様子をご紹介します。いずれの授業も協調学習のよさである「生徒一人ひとりのわかり方を尊重する学習者を中心にした学習」が随所にみられる授業展開でした。
10月30日(月)には、本校を会場に、協調学習の研究開発員である教諭らによる公開授業が予定されています。
※現在は「東京大学 高大接続研究開発センター・高大接続連携推進部門(CoREFユニット)」と称されている組織です。
❖9月11日(月)実施 「生産システム技術(2年・選択)」
❖9月14日(木)実施 「食品製造(2年・生物資源化学科)」
❖9月21日(木)実施「コミュニケーション英語Ⅰ(1年・共通)」
最近では、県教育委員会が実施する初任者研修プログラムの一つに位置付けられています。協調学習が起きやすい環境を支える授業デザインの枠組として「知識構成型ジグソー法」の実践が各県立学校で進められていますが、今年度本校に配属された3名の初任者も精力的に協調学習に取り組んでいます。
研修の一環として行われた研究事業での様子をご紹介します。いずれの授業も協調学習のよさである「生徒一人ひとりのわかり方を尊重する学習者を中心にした学習」が随所にみられる授業展開でした。
10月30日(月)には、本校を会場に、協調学習の研究開発員である教諭らによる公開授業が予定されています。
※現在は「東京大学 高大接続研究開発センター・高大接続連携推進部門(CoREFユニット)」と称されている組織です。
❖9月11日(月)実施 「生産システム技術(2年・選択)」
❖9月14日(木)実施 「食品製造(2年・生物資源化学科)」
❖9月21日(木)実施「コミュニケーション英語Ⅰ(1年・共通)」
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生物サイエンス科・共同実験実習
本日から9月22日(金)まで、生物サイエンス科(2-2)が共同実験実習に出かけました。
他の学科同様、県立総合教育センター(江南支所)で集団宿泊生活をしながら農業関係のスキルを高めてきます。4月から始まった宿泊研修はこれですべての学科で実施できたことになります。いずみ高校での学びを特徴づける取組です。
他の学科同様、県立総合教育センター(江南支所)で集団宿泊生活をしながら農業関係のスキルを高めてきます。4月から始まった宿泊研修はこれですべての学科で実施できたことになります。いずみ高校での学びを特徴づける取組です。
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学校説明会・体験授業(環境系)
本日行われた環境系の体験授業の様子をご紹介します。
❖環境デザイン科「やってみよう! CADでデザイン体験」
❖環境サイエンス科「ハッピーキャンドル作り」「わくわく染色」
❖環境建設科「セメントを使った『モルタル文鎮』を作ろう!」
❖環境デザイン科「やってみよう! CADでデザイン体験」
❖環境サイエンス科「ハッピーキャンドル作り」「わくわく染色」
❖環境建設科「セメントを使った『モルタル文鎮』を作ろう!」
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学校説明会・体験授業(生物系)
本日行われた生物系の体験授業の様子をご紹介します。
❖生物生産科「メダカの生態について」
❖生物サイエンス科「発酵ビーズを作って、発酵の不思議を学ぼう」
❖生物資源化学科「パン作りにチャレンジ゛!」
❖生物生産科「メダカの生態について」
❖生物サイエンス科「発酵ビーズを作って、発酵の不思議を学ぼう」
❖生物資源化学科「パン作りにチャレンジ゛!」
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第2回学校説明会
本日は第2回学校説明会を行いました。
多くの中学生とその保護者(ご家族)のご来校をいただきました。ありがとうございます。
今月と来月に実施する学校説明会では、参加者の皆様に6つの学科それぞれに特長的な「授業」を2コマ体験していただいております。時間や施設等の関係から、6つすべてを体験していただくことはできませんが、次回の第3回学校説明会でも「体験授業」を予定していますので、多くの学科から皆さんのもっとも興味関心を抱いた学科を見つけていただくことができたら幸いです。
次回は10月28日(土)です。体験学習の準備の都合上、事前のお申込みが必要となりますので、本ホームページからエントリーください。
お申込みフォームはこちらから
多くの中学生とその保護者(ご家族)のご来校をいただきました。ありがとうございます。
今月と来月に実施する学校説明会では、参加者の皆様に6つの学科それぞれに特長的な「授業」を2コマ体験していただいております。時間や施設等の関係から、6つすべてを体験していただくことはできませんが、次回の第3回学校説明会でも「体験授業」を予定していますので、多くの学科から皆さんのもっとも興味関心を抱いた学科を見つけていただくことができたら幸いです。
次回は10月28日(土)です。体験学習の準備の都合上、事前のお申込みが必要となりますので、本ホームページからエントリーください。
お申込みフォームはこちらから
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PTA後援会理事会
PTA後援会の常任理事会・理事会が行なわれました。7月から8月にかけて参加した「高P連関東大会(神奈川大会)」や「高P連全国大会(静岡大会)」の報告や2学期のPTA後援会行事についてご協議いただきました。
私からは、全国大会での講演報告とともに、急増するネットトラブルへの対応策と本校におけるスマホ利用について説明し、ご理解とご協力をお願いしました。
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生物資源化学科・共同実験実習
本日から9月8日(金)まで、生物資源化学科(2-3)が共同実験実習に出かけました。
県立総合教育センター(江南支所)で集団宿泊生活をしながらトラクターの基本運転練習など、農業に必要なスキルを高めてきます。
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あたたかいメッセージ
内閣府によれば、第2学期の始業式が多い9月1日は、自殺の特異日なんだそうです。
過去42年間で自殺した18歳以下の子供は1万8048人にのぼりますが、そのうち、夏休み明けとなる9月1日に自殺した子供が131人と最も多かったそうです。
いずみ高生のみなさん、悩みや大きなストレスに心が折れそうになった時は、あなたのそばにいる人に相談してみてください。学校では先生方が話を聞きますよ。本校の先生方は皆さんの味方ですから。たとえ直接的な解決法が見つからなくても、誰かとつながっていると思えれば心が軽くなります。つらい気持ちを吐き出すだけでも楽になるはずです。
そんな中、一昨日(8月30日)、東京都恩賜上野動物園が下のようなツィートをして話題となっているようです。
とってもあたたかいメッセージだと思いませんか。
公式ツイッターサイト@UenoZooGardensから転載
過去42年間で自殺した18歳以下の子供は1万8048人にのぼりますが、そのうち、夏休み明けとなる9月1日に自殺した子供が131人と最も多かったそうです。
いずみ高生のみなさん、悩みや大きなストレスに心が折れそうになった時は、あなたのそばにいる人に相談してみてください。学校では先生方が話を聞きますよ。本校の先生方は皆さんの味方ですから。たとえ直接的な解決法が見つからなくても、誰かとつながっていると思えれば心が軽くなります。つらい気持ちを吐き出すだけでも楽になるはずです。
そんな中、一昨日(8月30日)、東京都恩賜上野動物園が下のようなツィートをして話題となっているようです。
とってもあたたかいメッセージだと思いませんか。
公式ツイッターサイト@UenoZooGardensから転載
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第2学期始業式
第2学期始業式
天候不順だった8月から一転して、9月の少し高い蒼い空と眩しい太陽の日差しを見ることになった本日、いずみ高校の第2学期の始業式を行いました。湧泉祭(文化祭)をはじめ学校行事も多い2学期ですが、明るく元気に頑張りましょう。
技能五輪全国大会への出場決定
また、夏休み中に部活動の大会や専門技能のコンテスト、資格・検定試験の合格など、いずみ高生の頑張りを表彰しました。特に全国工業高等学校長協会のジュニアマイスター制度で「シルバー」を獲得した3年6組(環境建設科)の橋本真由さんは、予選を勝ち抜き、厚生労働省・中央職業能力開発協会が主催する「第55 回技能五輪全国大会(栃木県那須市)」への出場が決定しています。全国大会への本校生徒の出場、大変すばらしいことです。
【始業式・校長講話】
皆さん、おはようございます。
今日から2学期がスタートします。長いようで短かった夏季休業中、何かに挑戦することはできましたか。1学期の終業式では、「書物を読むということは、他人が辛苦してなしとげたことを、容易に自分に取り入れて自己改善をする最良の方法である」というソクラテスの言葉を紹介しましたが、良書に出会えた人は、40日という時間を、実時間以上の厚みを持って過ごすことができたはずです。 今日から始まる2学期は、115日間という時間からなっています。何に取り組むにしても、確かな質をもって臨めば、十分な量がある115日間です。3年生は進路決定に向けて、1・2年生は、勉強や学校行事、部活動にしっかりと向き合って頑張ってください。
さて、今日は「依存のメカニズム」についてお話しします。 先日、KDDI総合研究所の斎藤長行さんの講演を聴く機会がありました。「ネットトラブルの予防と対策」というものだったのですが、非常に興味深かったことに、皆さんのような高校生がネット依存に陥りやすいことを、脳科学の視点から分かりやすく解説していたことがあります。 私たちの脳には「快感報酬システム」と呼ばれる働きがあり、心地よいと感じる時、脳の神経ニューロンの末端で神経伝達物質ドーパミンが分泌されます。人間のやる気や行動力はこうした仕組みによって生まれますので、モチベーションを高め、大きな努力をするときなどには、この快感報酬システムが上手に働くようにすることが大切なのです。
ところが皆さんの脳は、実は、現在も発達中なのであり、感情をつかさどる「大脳周縁系」と呼ばれる部位は発達のピークを迎えるものの、理性をつかさどる「前頭前皮質」という部位の発達はまだ少し時間を要します。つまり、感情を理性で制御することが得意でないという状態にあるわけです。多感な年ごろとはよく言ったもので、皆さんの脳は、感情に対する反応が強くなる一方で、理性によるブレーキが利きにくくなっていて、快感報酬システムを上手にコントロールできないことが多いのです。そのため、「やめたいけどやめられない」状態に陥りやすくなっていると指摘されているのです。
いつまでもLINEやTwitterをし続けたり、YouTubeが勧める動画を次から次へと見続けるのは、そのことによって皆さんの脳が心地よくなっている状態だと言えます。しかし、タバコや麻薬などとは異なり、薬物によって脳内の神経伝達に異常が起こっているわけではありませんから、しっかり理性を働かせることでいくらでもやめることができるはずです。
ただ、先ほどの話のように、皆さんの脳は発達途上にあるので、少しだけ頑張る必要があります。自分の脳が感情に負けそうになるのをしっかり意識して、理性でコントロールするという努力をすることが必要です。人間の脳は基本的には心地よさを求めるように動いているので、これをうまく利用するのが良いと思います。例えば、スマホを1時間我慢して勉強ができたら、自分にご褒美を与えるといったように、脳に別の心地よさを与えることが有効なのだと言います。この場合のご褒美は、甘いお菓子でも、なんでもいいのですが、大切なのは、脳に心地よさを感じさせる、つまりよい学習をさせることが必要です。
ちなみに、喫煙や麻薬の依存は別のメカニズムです。タバコに含まれる数多くの有毒成分のうち、ニコチンという物質は脳の神経伝達を低下させるのですが、その一方で、ニコチンを摂取したとき一時的に神経を興奮させて神経伝達が活性化するために、脳が心地よさを感じます。タバコを吸うと気分がリフレッシュされたように感じるのはそのためです。これがニコチンによる依存状態、いわゆるニコチン中毒というわけです。禁煙者の脳の中では、脳が心地よさを取り戻すために、タバコを吸い続けるという「負の連鎖」ともいうべき悪い学習がなされることになります。
話をネットトラブルに戻しますが、皆さん方を含め、全国でスマホの誤った使い方やネットトラブルによって、相当数の中高生たちが不幸な時間を過ごしています。スマホの過度な使用による日常生活への支障、ゲームに夢中になっている最中に生じた高額課金、LINEなどでの悪口や仲間外れ、SNSやネット上の知り合いを通じた犯罪行為、なりすまし投稿による誹謗中傷、不正アプリやウイルスによる個人情報漏洩などなど、ネットトラブルの具体例は枚挙に暇がありません。
皆さんのもつ、わずか百数十グラムのスマホは立派なインターネット端末であり、そこから世界中に情報が発信されるということ、一度ネット上に流れた情報は完全には削除することができないこと、個人情報は特定され、曝されてしまうこと、こうしたネット世界の怖さを改めて気づいてほしいと思います。そして、「やめたいけどやめられない」と感じたら、感情に負けないくらいに、理性を強く働かせて、負の連鎖を断ち切ってください。
最近は、スマホ依存解消アプリといったものまであるそうです。「スマホやめ」「ネットは後!」「ハコニワ」など実に様々なものがあるようですが、最後は皆さんの理性にかかっています。皆さんの脳に上手に心地よさを与えることで、今学期も、勉強や学校行事、部活動に頑張っていただきたいと思います。
私の話は以上です。
天候不順だった8月から一転して、9月の少し高い蒼い空と眩しい太陽の日差しを見ることになった本日、いずみ高校の第2学期の始業式を行いました。湧泉祭(文化祭)をはじめ学校行事も多い2学期ですが、明るく元気に頑張りましょう。
技能五輪全国大会への出場決定
また、夏休み中に部活動の大会や専門技能のコンテスト、資格・検定試験の合格など、いずみ高生の頑張りを表彰しました。特に全国工業高等学校長協会のジュニアマイスター制度で「シルバー」を獲得した3年6組(環境建設科)の橋本真由さんは、予選を勝ち抜き、厚生労働省・中央職業能力開発協会が主催する「第55 回技能五輪全国大会(栃木県那須市)」への出場が決定しています。全国大会への本校生徒の出場、大変すばらしいことです。
【始業式・校長講話】
皆さん、おはようございます。
今日から2学期がスタートします。長いようで短かった夏季休業中、何かに挑戦することはできましたか。1学期の終業式では、「書物を読むということは、他人が辛苦してなしとげたことを、容易に自分に取り入れて自己改善をする最良の方法である」というソクラテスの言葉を紹介しましたが、良書に出会えた人は、40日という時間を、実時間以上の厚みを持って過ごすことができたはずです。 今日から始まる2学期は、115日間という時間からなっています。何に取り組むにしても、確かな質をもって臨めば、十分な量がある115日間です。3年生は進路決定に向けて、1・2年生は、勉強や学校行事、部活動にしっかりと向き合って頑張ってください。
さて、今日は「依存のメカニズム」についてお話しします。 先日、KDDI総合研究所の斎藤長行さんの講演を聴く機会がありました。「ネットトラブルの予防と対策」というものだったのですが、非常に興味深かったことに、皆さんのような高校生がネット依存に陥りやすいことを、脳科学の視点から分かりやすく解説していたことがあります。 私たちの脳には「快感報酬システム」と呼ばれる働きがあり、心地よいと感じる時、脳の神経ニューロンの末端で神経伝達物質ドーパミンが分泌されます。人間のやる気や行動力はこうした仕組みによって生まれますので、モチベーションを高め、大きな努力をするときなどには、この快感報酬システムが上手に働くようにすることが大切なのです。
ところが皆さんの脳は、実は、現在も発達中なのであり、感情をつかさどる「大脳周縁系」と呼ばれる部位は発達のピークを迎えるものの、理性をつかさどる「前頭前皮質」という部位の発達はまだ少し時間を要します。つまり、感情を理性で制御することが得意でないという状態にあるわけです。多感な年ごろとはよく言ったもので、皆さんの脳は、感情に対する反応が強くなる一方で、理性によるブレーキが利きにくくなっていて、快感報酬システムを上手にコントロールできないことが多いのです。そのため、「やめたいけどやめられない」状態に陥りやすくなっていると指摘されているのです。
いつまでもLINEやTwitterをし続けたり、YouTubeが勧める動画を次から次へと見続けるのは、そのことによって皆さんの脳が心地よくなっている状態だと言えます。しかし、タバコや麻薬などとは異なり、薬物によって脳内の神経伝達に異常が起こっているわけではありませんから、しっかり理性を働かせることでいくらでもやめることができるはずです。
ただ、先ほどの話のように、皆さんの脳は発達途上にあるので、少しだけ頑張る必要があります。自分の脳が感情に負けそうになるのをしっかり意識して、理性でコントロールするという努力をすることが必要です。人間の脳は基本的には心地よさを求めるように動いているので、これをうまく利用するのが良いと思います。例えば、スマホを1時間我慢して勉強ができたら、自分にご褒美を与えるといったように、脳に別の心地よさを与えることが有効なのだと言います。この場合のご褒美は、甘いお菓子でも、なんでもいいのですが、大切なのは、脳に心地よさを感じさせる、つまりよい学習をさせることが必要です。
ちなみに、喫煙や麻薬の依存は別のメカニズムです。タバコに含まれる数多くの有毒成分のうち、ニコチンという物質は脳の神経伝達を低下させるのですが、その一方で、ニコチンを摂取したとき一時的に神経を興奮させて神経伝達が活性化するために、脳が心地よさを感じます。タバコを吸うと気分がリフレッシュされたように感じるのはそのためです。これがニコチンによる依存状態、いわゆるニコチン中毒というわけです。禁煙者の脳の中では、脳が心地よさを取り戻すために、タバコを吸い続けるという「負の連鎖」ともいうべき悪い学習がなされることになります。
話をネットトラブルに戻しますが、皆さん方を含め、全国でスマホの誤った使い方やネットトラブルによって、相当数の中高生たちが不幸な時間を過ごしています。スマホの過度な使用による日常生活への支障、ゲームに夢中になっている最中に生じた高額課金、LINEなどでの悪口や仲間外れ、SNSやネット上の知り合いを通じた犯罪行為、なりすまし投稿による誹謗中傷、不正アプリやウイルスによる個人情報漏洩などなど、ネットトラブルの具体例は枚挙に暇がありません。
皆さんのもつ、わずか百数十グラムのスマホは立派なインターネット端末であり、そこから世界中に情報が発信されるということ、一度ネット上に流れた情報は完全には削除することができないこと、個人情報は特定され、曝されてしまうこと、こうしたネット世界の怖さを改めて気づいてほしいと思います。そして、「やめたいけどやめられない」と感じたら、感情に負けないくらいに、理性を強く働かせて、負の連鎖を断ち切ってください。
最近は、スマホ依存解消アプリといったものまであるそうです。「スマホやめ」「ネットは後!」「ハコニワ」など実に様々なものがあるようですが、最後は皆さんの理性にかかっています。皆さんの脳に上手に心地よさを与えることで、今学期も、勉強や学校行事、部活動に頑張っていただきたいと思います。
私の話は以上です。
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