2017年12月の記事一覧
第2学期終業式
本日は2学期最後の日。底冷えする体育館ではありましたが、生徒たちの集合状況が素晴らしく、定刻より7分早く終業式をスタートさせることができました。
今年1年を振り返ると、SNS関係のトラブルが多かったことが大変残念なことでありました。生徒一人一人が「相手の立場に立つ」ということを第一に考え行動すれば、いずみ高生たちが持っている「やさしさの泉」によって、人々の心は潤うのだと思います。どうか、皆さんが本来持つ、思いやり、優しさ、温かさを大切にしてほしいと思います。
また、部活動、技能競技会、球技大会等の表彰を行いました。
❖少林寺拳法部(新人大会) 2-1田端さん、1-3高橋くん、1-6呂くん
❖技能五輪全国大会(栃木大会) 3-6橋本さん
❖アイディアロボットコンテスト(ライントレース・ベーシック部門) 3-5澤田くん
❖日本学校農業クラブ連盟全国大会(岡山大会) 1-2尾崎さん、3-1佐藤さん、3-4岡田さん

【校長講話】
皆さん、おはようございます。
長かった2学期も本日で終了となります。 皆さんにとって、この1年、平成29年という年は、どんな年だったでしょうか。
今年の新語・流行語大賞となった言葉の一つに「インスタ映え」がありました。インターネットが本格的に普及して20年あまりが経ちますが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を中心とする写真や動画等の投稿によって、個人のプライベートが切り売りされることが当たり前になっています。
インターネットという匿名性からか、プライバシーや人権感覚の未熟な中高生たちによる心ない書き込みが問題となっています。 他人の名誉やプライバシーに関する悪質な書き込みは人権侵害につながります。心ない書き込みで傷ついている人がいるということを、今一度、よく考えてほしいと思います。
こうした投稿や書き込みが何故起こるかというと、その多くは、相手のこころを感じていない、相手の立場になって考えることができないからだと思います。今年は、このいずみ高校でもそうした問題行動が目立ちました。当該の生徒には厳しく指導しましたが、大変忌々しき問題だと思っています。 皆さんには「相手のことを思いやれる優しい人」になってほしい。「相手の立場に立ち、相手のこころを感じることのできる人」になってほしいと思っています。
今日は「相手の立場で考えること」についてお話しします。
皆さんは、「東京ディズニーリゾート」(1983年の開園当時は東京ディズニーランドでしたが)、ここの初代総合プロデューサーを務められた堀貞一郎さんという方を知っているでしょうか。名前は知らなくても、この声は聴いたことがあるのではないでしょうか。
この方は数年前に亡くなられたのですが、「ホーンテッドマンション」というアトラクションでは、堀氏の渋い声が今でも流れています。 堀氏は、「人々に夢や感動を提供するという、このテーマパークの明確なミッションがキャストと呼ばれる従業員一人一人の心に響けば、そこからまるで魔法のようなことが生まれるはずだ。それによって人々の心を動かし、お客様をファンタジーの世界に誘うことができる」と説いたそうです。 そして、人々の心を動かすには、「相手のこころを感じる」ことが大切だと話していました。
相手のこころを感じるとは、相手の立場になって、思いやりの気持ちで接するということにほかなりません。
その堀氏がかつて紹介したエピソードにこんなものがありました。
ある日、若い夫婦が二人でディズニーランドに来園し、レストランでお子様ランチを注文しました。お子様ランチは9歳以下の限定メニューであり、キャストのマニュアルには、「大人の方は注文できない旨をやんわり説明するように」と書いてありました。しかし、そのときキャストを務めた青年は、マニュアルから一歩踏み出し、「どなたがお召し上がりになるのですか」と尋ねました。すると、その夫婦は「死んだ子供のために注文したくて」と答えたそうです。
訊けば、そのご夫婦に授かった娘さんは生まれつき体が弱く、一歳の誕生日を待たずに神様のもとに召されたのだそうです。夫婦は、いつかは子供と一緒に来ようと思っていた、このディズニーランドにやって来たのです。
青年は、注文に応じると「ご家族の皆さま、どうぞこちらに」とその夫婦を四人席の家族テーブルに移動させ、それから子供用のイスを一つ用意しました。しばらくして運ばれてきたのは、三人分のお子様ランチでした。青年は「ご家族でごゆっくりお楽しみください」と挨拶して、その場を立ち去りました。 若い夫婦は失われたお子さんとの日々をかみしめながら、そのお子様ランチを食べたそうです。
このような行為は、本来はマニュアルを破ることであり、職場の規則に反することです。しかし、ディズニーランドでは、先輩も同僚も彼の行動をとがめたりはしません。それどころか、彼の行為はここでは賞賛されるのです。 マニュアルは基本でしかありません。それを越えるところに感動があり、またキャスト一人一人の「ゲストへのおもてなしの心」があります。
こうして、「夢や感動を生み出す空間を創る」ということを仕事としている人たちの矜持が生まれるのです。そして、これはキャストの皆さんの「相手のこころを感じる」ことから生まれているのです。
相手のこころを感じることができれば、もし自分が相手の立場だったらと考えることができれば、SNSへの心ない書き込みは防ぐことができるはずです。
どうか皆さんの「優しさの泉」を涸らさないでください。いずみ高生のこころに湧く「思いやり」「優しさ」「温かさ」を大切にしてください。 先のディズニーランドのように、亡くなったお子さんのことを気遣って「お子様ランチ」を用意することはできなくても、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげましょう。自分がされたら嫌なことは決してしないことです。
これだけで人間関係が変わってくると思います。あなたの生き方が変わります。人間のもつ「優しさ」によって、世界だって救うことができる。私はそう思っています。
私の話は以上です。
今年1年を振り返ると、SNS関係のトラブルが多かったことが大変残念なことでありました。生徒一人一人が「相手の立場に立つ」ということを第一に考え行動すれば、いずみ高生たちが持っている「やさしさの泉」によって、人々の心は潤うのだと思います。どうか、皆さんが本来持つ、思いやり、優しさ、温かさを大切にしてほしいと思います。
また、部活動、技能競技会、球技大会等の表彰を行いました。
❖少林寺拳法部(新人大会) 2-1田端さん、1-3高橋くん、1-6呂くん
❖技能五輪全国大会(栃木大会) 3-6橋本さん
❖アイディアロボットコンテスト(ライントレース・ベーシック部門) 3-5澤田くん
❖日本学校農業クラブ連盟全国大会(岡山大会) 1-2尾崎さん、3-1佐藤さん、3-4岡田さん
【校長講話】
皆さん、おはようございます。
長かった2学期も本日で終了となります。 皆さんにとって、この1年、平成29年という年は、どんな年だったでしょうか。
今年の新語・流行語大賞となった言葉の一つに「インスタ映え」がありました。インターネットが本格的に普及して20年あまりが経ちますが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を中心とする写真や動画等の投稿によって、個人のプライベートが切り売りされることが当たり前になっています。
インターネットという匿名性からか、プライバシーや人権感覚の未熟な中高生たちによる心ない書き込みが問題となっています。 他人の名誉やプライバシーに関する悪質な書き込みは人権侵害につながります。心ない書き込みで傷ついている人がいるということを、今一度、よく考えてほしいと思います。
こうした投稿や書き込みが何故起こるかというと、その多くは、相手のこころを感じていない、相手の立場になって考えることができないからだと思います。今年は、このいずみ高校でもそうした問題行動が目立ちました。当該の生徒には厳しく指導しましたが、大変忌々しき問題だと思っています。 皆さんには「相手のことを思いやれる優しい人」になってほしい。「相手の立場に立ち、相手のこころを感じることのできる人」になってほしいと思っています。
今日は「相手の立場で考えること」についてお話しします。
皆さんは、「東京ディズニーリゾート」(1983年の開園当時は東京ディズニーランドでしたが)、ここの初代総合プロデューサーを務められた堀貞一郎さんという方を知っているでしょうか。名前は知らなくても、この声は聴いたことがあるのではないでしょうか。
この方は数年前に亡くなられたのですが、「ホーンテッドマンション」というアトラクションでは、堀氏の渋い声が今でも流れています。 堀氏は、「人々に夢や感動を提供するという、このテーマパークの明確なミッションがキャストと呼ばれる従業員一人一人の心に響けば、そこからまるで魔法のようなことが生まれるはずだ。それによって人々の心を動かし、お客様をファンタジーの世界に誘うことができる」と説いたそうです。 そして、人々の心を動かすには、「相手のこころを感じる」ことが大切だと話していました。
相手のこころを感じるとは、相手の立場になって、思いやりの気持ちで接するということにほかなりません。
その堀氏がかつて紹介したエピソードにこんなものがありました。
ある日、若い夫婦が二人でディズニーランドに来園し、レストランでお子様ランチを注文しました。お子様ランチは9歳以下の限定メニューであり、キャストのマニュアルには、「大人の方は注文できない旨をやんわり説明するように」と書いてありました。しかし、そのときキャストを務めた青年は、マニュアルから一歩踏み出し、「どなたがお召し上がりになるのですか」と尋ねました。すると、その夫婦は「死んだ子供のために注文したくて」と答えたそうです。
訊けば、そのご夫婦に授かった娘さんは生まれつき体が弱く、一歳の誕生日を待たずに神様のもとに召されたのだそうです。夫婦は、いつかは子供と一緒に来ようと思っていた、このディズニーランドにやって来たのです。
青年は、注文に応じると「ご家族の皆さま、どうぞこちらに」とその夫婦を四人席の家族テーブルに移動させ、それから子供用のイスを一つ用意しました。しばらくして運ばれてきたのは、三人分のお子様ランチでした。青年は「ご家族でごゆっくりお楽しみください」と挨拶して、その場を立ち去りました。 若い夫婦は失われたお子さんとの日々をかみしめながら、そのお子様ランチを食べたそうです。
このような行為は、本来はマニュアルを破ることであり、職場の規則に反することです。しかし、ディズニーランドでは、先輩も同僚も彼の行動をとがめたりはしません。それどころか、彼の行為はここでは賞賛されるのです。 マニュアルは基本でしかありません。それを越えるところに感動があり、またキャスト一人一人の「ゲストへのおもてなしの心」があります。
こうして、「夢や感動を生み出す空間を創る」ということを仕事としている人たちの矜持が生まれるのです。そして、これはキャストの皆さんの「相手のこころを感じる」ことから生まれているのです。
相手のこころを感じることができれば、もし自分が相手の立場だったらと考えることができれば、SNSへの心ない書き込みは防ぐことができるはずです。
どうか皆さんの「優しさの泉」を涸らさないでください。いずみ高生のこころに湧く「思いやり」「優しさ」「温かさ」を大切にしてください。 先のディズニーランドのように、亡くなったお子さんのことを気遣って「お子様ランチ」を用意することはできなくても、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげましょう。自分がされたら嫌なことは決してしないことです。
これだけで人間関係が変わってくると思います。あなたの生き方が変わります。人間のもつ「優しさ」によって、世界だって救うことができる。私はそう思っています。
私の話は以上です。
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