2019年1月の記事一覧
第3学期始業式
平成最後の年、平成31年がスタートしました。
寒い体育館でしたが、始業式を行いました。
また、生徒指導主任からは、時を守ることや生活習慣の改善について、モチベーション(外発的動機付けと内発的動機付け)についての話がありました。チーム「いずみ」として力を合わせて頑張って取り組くんでいきましょう。

【始業式・校長講話】
皆さん、おはようございます。
平成31年、新しい年のスタートです。そして平成としての最後の年にもなります。
平成生まれの皆さんも、年号が改まる今年、これまでの殻を打ち破り、新たな時代を切り拓く、そんな1年であってほしいと思います。今年は「時を守り、場を清め、礼を尽くす」ことの実践にさらなる磨きをかけ、チーム「いずみ」としての成長を期待したいと思います。チームとして成長するための目標が「時を守り、場を清め、礼を尽くす」ですので、この目標、つまりはベクトル合わせを意識し、チームとしての力を結集して、構成員それぞれが持つ力を合わせたもの(総和)以上のパワーを生み出してほしいと思います。そのためには、自己の「変革」を促すような、そんな強い心が必要です。
今日は「自分を変えること」についてお話しします。
何十年も前のお話ですが、都内で一人暮らしをしている派遣社員がいました。彼女は、何をしても長続きしないことが多く、大学卒業後、仕事も転々としていました。そのため、転職ばかりしている彼女を正社員として採用する企業はなく、彼女は派遣会社の社員として働くしかなかったのです。
そんな彼女がスーパーマーケットに派遣されました。仕事内容はレジ打ちでした。
当時のレジには、今のようなバーコードで管理されたPOSシステムがなく、レジを電卓のキーのように打たなければならなかったのです。勤め始めて一週間、単調な作業の連続に、彼女はまたしても仕事を辞めたくなっていました。
「私はこんな単純作業をするために居るのではない!」
辞表を書いてみたものの、正直なところ彼女自身も、仕事が長続きせず我慢の出来ない自分が嫌いになっていました。そんな時、実家の母から電話があり、「そんなにつらいなら戻ってきなさい」と諭され、実家に戻る決心をします。
引っ越しのために部屋の片付けをしていると、小学生の時に書いていた古い昔の日記が出てきました。そこには、幼い文字で「将来はピアニストになりたい」と書いてありました。彼女は思い出しました、私はピアノが好きだったんだ、と。
何事も長続きしない彼女でしたが、幼いことろから取り組んでいたピアノのレッスンだけは、辞めずに続けていたのです。そして「夢を追い掛けていた心」を思い出したのです。「あんなに希望に燃えていた自分が、今はどうだろうか。情けない。そして、また逃げようとしている…」
彼女は自分を見つめ直し、スーパーで働くことを続けることにしました。そして、いつものようにレジ打ちをしていたとき、ある考えが浮かびます。「ピアノも練習を重ねる内に、鍵盤を見なくても演奏できるようになったんだ。私流にレジ打ちを極めてみよう!」
彼女はたった数日で、物凄いスピードでレジ打ちが出来るようになりました。すると、今まではレジのボタンしか見ていなかった彼女が、今まで見もしなかったところへ目が行くようになったのです。
「あのお客さんは昨日も来ていたな」「この人は閉店間際に来る」「この人は高い物しか買わない」
そんな風にお客さんを見ることが、彼女の楽しみの一つになりました。
そんなある日、いつもは安い物ばかりを買うおばあさんが、五千円もする立派なタイを持ってレジに来たのです。ビックリした彼女は思わず声を掛けます。
「今日は何か良いことあったんですか?」
するとおばあちゃんは嬉しそうに言いました。
「孫がね、水泳で賞を取ったから、そのお祝いなんだよ」
「それはおめでとうございます!」
お客様とのコミュニケーションが楽しくなった彼女は、すっかりお客さんの顔を覚え、「今日はこのチョコよりも、もっと安いチョコが出てますよ」とか、「今日はマグロよりもいいカツオがありますよ」などと声をかけるようになったのです。
彼女はこの仕事が楽しくなってきました。
しばらくたったある日、彼女が忙しくレジ打ちをしていると、店内放送が響きました。「本日は混み合いまして、誠に申し訳ございません。どうぞ、空いているレジにお回りください」
暫くすると、また放送が響きました。
「重ねて申し上げますが、どうぞ、空いているレジにお回りください」
三回目のアナウンスを聞いて彼女は何かおかしいと気付き、周りを見渡して驚きました。他のレジが全部空いているのに、彼女のレジにしかお客さんが並んでいなかったのです。店長が慌てて、お客さんに駆け寄り声を掛けます。
「どうぞあちらへお回りください」
するとお客さんは、
「放っといてちょうだい! 私はここへ買い物に来ているんじゃないの! あの人と話したくて来てんのよ! だからこのレジじゃないとイヤなの!」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れ、レジを打つことが出来なくなりました。仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと初めて気付いたのです。そうです、既に彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。
このように、自分の気持ちと向き合い、積極的になることで、違う自分が生まれる。以前、少年院を訪問し「命の授業」を行っているお笑い芸人のゴルゴ松本さんのお話を紹介したことがありますが、その松本さんが「未来を変えること」について、こんなお話をされています。
積み重ねて極めるから「積極的」、極めようという気持ちを消すから「消極的」、そして、出来ないというのは「未来が出てこない」ことを云うんです。だから、「出来ない」と云ったらその先の未来は消えてしまう。それと、過去は「過ちが去る」と書きますね。過去の過ちを今の自分が反省することによって、その過去から先の未来が変わるのです。
古くから「1年の計は元旦にあり」と言います。多くの人が、新たな年を迎えて、その年の目標を立てています。皆さんも、「今年こそは」と目標を新たにしているはずです。ぜひ「自分を変えること」に挑戦して欲しいと思います。
私の話は以上です。
寒い体育館でしたが、始業式を行いました。
また、生徒指導主任からは、時を守ることや生活習慣の改善について、モチベーション(外発的動機付けと内発的動機付け)についての話がありました。チーム「いずみ」として力を合わせて頑張って取り組くんでいきましょう。
【始業式・校長講話】
皆さん、おはようございます。
平成31年、新しい年のスタートです。そして平成としての最後の年にもなります。
平成生まれの皆さんも、年号が改まる今年、これまでの殻を打ち破り、新たな時代を切り拓く、そんな1年であってほしいと思います。今年は「時を守り、場を清め、礼を尽くす」ことの実践にさらなる磨きをかけ、チーム「いずみ」としての成長を期待したいと思います。チームとして成長するための目標が「時を守り、場を清め、礼を尽くす」ですので、この目標、つまりはベクトル合わせを意識し、チームとしての力を結集して、構成員それぞれが持つ力を合わせたもの(総和)以上のパワーを生み出してほしいと思います。そのためには、自己の「変革」を促すような、そんな強い心が必要です。
今日は「自分を変えること」についてお話しします。
何十年も前のお話ですが、都内で一人暮らしをしている派遣社員がいました。彼女は、何をしても長続きしないことが多く、大学卒業後、仕事も転々としていました。そのため、転職ばかりしている彼女を正社員として採用する企業はなく、彼女は派遣会社の社員として働くしかなかったのです。
そんな彼女がスーパーマーケットに派遣されました。仕事内容はレジ打ちでした。
当時のレジには、今のようなバーコードで管理されたPOSシステムがなく、レジを電卓のキーのように打たなければならなかったのです。勤め始めて一週間、単調な作業の連続に、彼女はまたしても仕事を辞めたくなっていました。
「私はこんな単純作業をするために居るのではない!」
辞表を書いてみたものの、正直なところ彼女自身も、仕事が長続きせず我慢の出来ない自分が嫌いになっていました。そんな時、実家の母から電話があり、「そんなにつらいなら戻ってきなさい」と諭され、実家に戻る決心をします。
引っ越しのために部屋の片付けをしていると、小学生の時に書いていた古い昔の日記が出てきました。そこには、幼い文字で「将来はピアニストになりたい」と書いてありました。彼女は思い出しました、私はピアノが好きだったんだ、と。
何事も長続きしない彼女でしたが、幼いことろから取り組んでいたピアノのレッスンだけは、辞めずに続けていたのです。そして「夢を追い掛けていた心」を思い出したのです。「あんなに希望に燃えていた自分が、今はどうだろうか。情けない。そして、また逃げようとしている…」
彼女は自分を見つめ直し、スーパーで働くことを続けることにしました。そして、いつものようにレジ打ちをしていたとき、ある考えが浮かびます。「ピアノも練習を重ねる内に、鍵盤を見なくても演奏できるようになったんだ。私流にレジ打ちを極めてみよう!」
彼女はたった数日で、物凄いスピードでレジ打ちが出来るようになりました。すると、今まではレジのボタンしか見ていなかった彼女が、今まで見もしなかったところへ目が行くようになったのです。
「あのお客さんは昨日も来ていたな」「この人は閉店間際に来る」「この人は高い物しか買わない」
そんな風にお客さんを見ることが、彼女の楽しみの一つになりました。
そんなある日、いつもは安い物ばかりを買うおばあさんが、五千円もする立派なタイを持ってレジに来たのです。ビックリした彼女は思わず声を掛けます。
「今日は何か良いことあったんですか?」
するとおばあちゃんは嬉しそうに言いました。
「孫がね、水泳で賞を取ったから、そのお祝いなんだよ」
「それはおめでとうございます!」
お客様とのコミュニケーションが楽しくなった彼女は、すっかりお客さんの顔を覚え、「今日はこのチョコよりも、もっと安いチョコが出てますよ」とか、「今日はマグロよりもいいカツオがありますよ」などと声をかけるようになったのです。
彼女はこの仕事が楽しくなってきました。
しばらくたったある日、彼女が忙しくレジ打ちをしていると、店内放送が響きました。「本日は混み合いまして、誠に申し訳ございません。どうぞ、空いているレジにお回りください」
暫くすると、また放送が響きました。
「重ねて申し上げますが、どうぞ、空いているレジにお回りください」
三回目のアナウンスを聞いて彼女は何かおかしいと気付き、周りを見渡して驚きました。他のレジが全部空いているのに、彼女のレジにしかお客さんが並んでいなかったのです。店長が慌てて、お客さんに駆け寄り声を掛けます。
「どうぞあちらへお回りください」
するとお客さんは、
「放っといてちょうだい! 私はここへ買い物に来ているんじゃないの! あの人と話したくて来てんのよ! だからこのレジじゃないとイヤなの!」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れ、レジを打つことが出来なくなりました。仕事というのはこれほど素晴らしいものなのだと初めて気付いたのです。そうです、既に彼女は昔の自分ではなくなっていたのです。
このように、自分の気持ちと向き合い、積極的になることで、違う自分が生まれる。以前、少年院を訪問し「命の授業」を行っているお笑い芸人のゴルゴ松本さんのお話を紹介したことがありますが、その松本さんが「未来を変えること」について、こんなお話をされています。
積み重ねて極めるから「積極的」、極めようという気持ちを消すから「消極的」、そして、出来ないというのは「未来が出てこない」ことを云うんです。だから、「出来ない」と云ったらその先の未来は消えてしまう。それと、過去は「過ちが去る」と書きますね。過去の過ちを今の自分が反省することによって、その過去から先の未来が変わるのです。
古くから「1年の計は元旦にあり」と言います。多くの人が、新たな年を迎えて、その年の目標を立てています。皆さんも、「今年こそは」と目標を新たにしているはずです。ぜひ「自分を変えること」に挑戦して欲しいと思います。
私の話は以上です。
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