2020年1月の記事一覧
降雪に注意しましょう
気象庁によると、低気圧が東シナ海にあって、北東へ進んでいます。低気圧から前線が日本の南に延びており、埼玉県内は、曇空となっています。今日の午後から夕方にかけて、雪や雨となるとの予報が出ています。前線や低気圧の影響により、1月28日(火)の未明までには雪となる見込みだそうです。
現在のところ、明日1月28日(火)は通常通り授業を実施する予定です。生徒の皆さんは普段よりも早起きをして、気象や交通の状況を確認し、余裕をもって行動するとともに、安全を最優先にして登校してください。万一の天候悪化の場合は、午前6時までに、本校ホームページでお知らせいたします。
アクセス集中によるホームページに接続できない場合は、緊急情報サイトに自動的にジャンプします。
(上図及び下のコラムは日本気象協会のwebサイトからの転載です)
雪のピークは、27日夜~28日明け方の所が多いでしょう。お帰りが遅ければ遅いほど、雪の降り方が強まる恐れがあります。ちょうど夜の暗い時間が、雪のピークなので、28日朝、起きると、雪化粧している所もありそうです。お出かけの方は少し早起きをするなど、時間に余裕をもった行動がおすすめです。
また、強まるのは雪だけではありません。28日は、雪から雨に変わる所が多くなりますが、28日の夜は、沿岸部を中心に、冷たい雨や風が強まるでしょう。傘があおられるほどの風が吹く心配もあります。「雪ではないから」と油断しないで、冷たい雨に濡れて体調を崩さないよう、ご注意下さい。
第3学期始業式
第3学期の始業式の様子です。
今日は「学ぶこと」と「覚えること」の違いについてお話しました。
当初は、新春らしく「落語(時蕎麦)」のネタを披露することも考えたのですが、尺が長くなるのでやめました(笑)
また、今朝は令和2年1月1日から任期がスタートする「いずみ高校第22期生徒会役員」の紹介を行いました。
野口生徒会長が代表して「生徒の代表として、生徒会行事をはじめ、よりよい学校生活のために取り組んでいく」との頼もしいスピーチをしてくれました(写真右)。ぜひ頑張ってほしいと思います。
【校長講話】
皆さん、おはようございます。
新しい年のスタートです。
何といっても、今年はオリンピック・イヤーですね。東京オリンピック・パラリンピックが、今年7月から8月にかけて、東京をはじめ、日本各地で行われます。ここ埼玉の地でも、さいたまスーパーアリーナでのバスケットボール競技をはじめ、様々な競技が行われます。とても楽しみです。
さて、新学期の1日目。
新年を新たな気持ちで迎え、新しい目標に向け頑張ろうとしている皆さんに今更かもしれませんが、今朝は「学ぶこと」と「覚えること」の違いについて考えてもらいたいと思います。
授業中、先生方はよく「はい、ここはテストに出すからよく覚えておくように。」とか、「これは公式を暗記しておけば答えられるんだから頭に入れておきましょう」などと言いますね。これは皆さんの脳内に、情報をインプットさせる、つまり「覚える」というアクションを促すものです。皆さんも経験上知っていると思いますが、現在のようなテスト問題を解くためには、とても効率がいいものです。それに対して「学ぶ」とは、真似るが語源とも言われるように、未知のことを目の前で見て聞いて、それを真似ながら、そのことがもつ原理・法則を理解して、自分の知識の懐に取り込んでいくことなのだと思います。そこでは必ず脳内で「思考」という情報処理が生まれ、思考をつかさどる大脳新皮質のあちこちで、活発な信号のやり取りが行われ、脳内が活性化します。平たく言えば、学ぶということは、脳が活性化する活動に他ならないわけです。ですから、当然頭が疲れます。
概念的な説明だけではわかりにくいので、具体的に試してみましょう。
例えば、今年は子(ねずみ)年ですから、子に関連してこんな話を一つ。
皆さんは地球の座標系については知っていますよね。ここはいずみ高校の体育館。北緯35度53分44秒、東経139度36分41秒というところに位置しています。地球の座標系で南北を示すのが緯度で、緯度0度は「赤道」になります。では、東西を示す0度は何というでしょうか?
環境建設科の皆さんには簡単すぎましたね。そう「本初子午線」です。
本初とは「はじめ」とか「もと」という意味ですが、それはちょっとこっちに置いといて、「子午線」とはどう書きますか。子供の「子」に、牛という字に似ているけど突き抜けない「午(ご)」という字を当てますよね。
これを小学生に教えるとします。
「地球上における東西の座標系の基準となる線のことを子午線と言います。しっかり覚えてね。ノートに子午線って5回書いて覚えちゃおう。」子供たちはすぐに覚えられるでしょうか。出来る子もいるとは思いますが、中には午(うま)を牛(うし)と間違えて「子牛線」と書いてしまう児童もいるかもしれません。
では、子午線を覚えるのではなく、学ぶとしたらどうでしょう。
皆さんであれば知っていると思いますが、「子、丑、寅……」という十二支は、元々動物とは無関係のもので、単に東西南北の方角を表したものに過ぎません。これは古代中国、殷王朝の時代に決められたものですが、その十二支を覚えやすくするために、後の時代になって、その字に動物を当てはめていったのだそうです。皆さんは寓話として、干支の並びはその順番を決めるために神様が行ったレースの結果だ、というストーリーを聞いたことがあるかもしれませんね。干支に猫が入っていないのは一番にゴールを切ったねずみが知恵を巡らせた結果であるというアレです。私も「まんが日本昔ばなし」で観ました。
とにかく、十二支の最初の子を北とし、以下時計回りに、丑、寅、卯、辰、巳ときて、真南を午としたわけです。子午線とは、地球の北(北極点)と南(南極点)とを結ぶ線ですから、真北を表す干支の「子」という字と、真南を表す干支の「午」という字からなったというわけです。
わかりましたか。学ぶというのは、既知の情報と新しい情報とを結びつけて、知識として体系化していくプロセスなんです。こうやって学んでいくと、間違った漢字表記をすることもなくなります。覚えるというやり方では、ちょっと見間違えただけで誤った情報を記憶してしまったり、意味を理解せずに記憶しようとするために、関連情報と切り離された、何の意味も持たない単語をメモリーバンクに押し込める、というつまらない作業になってしまいます。
私が皆さんに言いたいのは、物事は覚えるのでなく、学ぶのだということです。もちろん、概念の前提となる構成要素としての単純記憶というのも必要です。しかし、大きな意味を捉えて、自分の知識に落とし込むことが大事なのです。新しい学習指導要領でも、「個別の知識だけでなく、習得した知識を既存の知識と関連付けて深く理解し、社会の中で生きて働く知識となるものにする」と謳っています。
子午線の話に戻りますが、仮に子午線という漢字を忘れてしまっても、子と午が十二方位を表すことが分かっていれば、子午線という活字を見ることでその意味を理解することができます。子午線の概念ごとしっかりインプットできるわけです。単純に記憶しただけでは、文字を見てもその意味が思い浮かばない。
新しい1年が始まりますが、ぜひ「学ぶこと」を大切にしてほしいと思います。卒業を控えた3年生には、この「学び」は実社会においても必要となるものですから、「守・破・離」で学ぶということを、生涯に渡って学び続ける力を、養ってほしいと思います。
最後に、新春らしく干支の話が出たついでに、もう少しだけお話ししておきます。
日本では、江戸時代まで、時刻も十二支で表していました。ただ、町人たちはお寺がつく鐘の音で刻を確認していましたから、鐘の回数が刻を表すものでした。
鐘は午前0時には九つ鳴ります。なぜ最初が九つなのかと言えば、中国から伝わった「陰陽五行」思想がもとになっていて、一桁の一番大きい数「9」からスタートし、二番目は9の2倍の18を意味する「8」、その次は3倍の27を意味する「7」、そして「6、5、4」と2時間ずつ時を刻んで、12時間分進むと正午となりました。そうすると、また「九つ刻」に戻り、「8、7、6、5、4」と2時間ずつ進んで 24時間となるわけです。「明け六つ」「暮れ六つ」というのは午前6時、午後6時頃のことであり、「お江戸日本橋七つ立ち♪」という歌詞は日の出前の午前4時ごろに出発するという意味になります。また、今でもよく使われる「おやつ」という言葉は、午後2時から4時頃、つまり「八つ刻」にとる軽食のことを指しています。
江戸時代の時の刻み方がわかってくると、古典落語にある「時そば」なんかを楽しみことができるようになります。知識が次なる知識へとつながっていくわけです。古典落語はSpotifyなんかでも楽しめるそうですから、興味のある人はぜひ。
私の話は以上です。
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