校長室から

2020年4月の記事一覧

エッセンシャルワーカーって何だろう

 最近、ニュースやSNSでよく耳にするエッセンシャル ワーカーとは何でしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の最前線で奮闘する医療関係者を筆頭に、私たちが生きていく上で大切な食料やライフライン(電気・ガス・水道等)の供給に関わる仕事、鉄道やバスなど公共交通機関に関わる仕事、物流を支えるトラックドライバー、生活の支援に当たる市役所の職員、警察官や消防の救急隊員、さらにはスーパーやドラッグストアの店員などがそうです。こうしたエッセンシャルワーカーの方々の頑張りがあるからこそ、私たちは新型コロナウイルスと闘うことができるのです。皆さんの身近な方の中にも、こうしたお仕事に従事している方がいるのではないでしょうか。
 最近、ニュースやSNS上で、「クラップ・フォー・ケアラーズ(医療従事者に感謝の拍手を)」や「ブルー・ライトアップ(感謝の灯)」などは、エッセンシャルワーカーに対して、感謝の気持ちを表現するための取組が話題となっています。右の写真は東京スカイツリーの特別ライトアップの様子です。
 皆さんにとっても、学校が臨時休業となったり、何かと生活に不自由を感じる世の中ですが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、世の中の多くの人たちが心を一つにして闘っているということを忘れないでください。

 高校生である皆さんには、自分を守る、家族を守る、そして社会を守るための行動をお願いします。人との接触を7割から極力8割減らすことが急務です。社会全体で新型コロナウイルスと闘っていくという強い決意を持って取り組んでください。

 

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今日は開校記念日です

 今日4月16日は埼玉県立いずみ高等学校の開校記念日です。
 新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」が発令され、生徒は臨時休業のため登校していませんし、教職員も自宅勤務を余儀なくされていることから、校内にはほとんど人気もありません。

 学校の開校記念日は、その学校の様々な歴史にちなんで決められます。例えば、県議会で設置条例が改正され、その学校の設置が条例上効力を発した日とするとか、新しい学校の名を県知事が公表したその日とするなどがあります。
 いずみ高校の場合は、昭和37(1952)年の4月16日に埼玉県立与野農工高等学校の開校式並びに入学式を挙行したことにちなんで、この日を開校記念日としています。第1回目の入学生は、園芸科51名、食品化学科44名、土木科44名の計139名であり、当時は男子のみの募集でしたので、男子農工高校としてスタートしました。男女共学となったのは昭和49(1974)年4月からのことです。 

 右の写真は昭和38(1953)年に完成したHR棟(本館)です。これはのちに耐震補強などの改修を経ていますが、現在も使用している校舎です。

 

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埼玉県知事による緊急事態措置と休業期間中の過ごし方

 報道等ですでご存じのとおり、新型コロナウイルスの感染拡大で「新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)」に基づく緊急事態宣言(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・福岡の各都県)が発令され、これを受けて埼玉県では、知事による緊急事態措置が示されるとともに、4月13日午前0時からは休業要請も始まりました。
 対象は学校などの教育施設、劇場や映画館、展示場、集会場や公会堂などの施設、体育館やボウリング場などの運動施設、キャバレーやナイトクラブなどの遊興施設です。また、大学などの教育施設や学習塾、博物館や美術館、図書館、ホテルや旅館の宴会場については、延べ床面積が1000平方メートル以上の施設に対し、休業を要請しています。このほか病院や保育所、介護施設、レストランなどの飲食店、生活必需品の小売店など、生活の確保などに必要な施設は、適切な感染対策を講じたうえでの事業継続を求めています。

❖埼玉県知事による緊急事態措置(4/7発表)

1 外出自粛の要請
 県民に対して、医療機関への通院、食料・医療品・生活必需品の買い出し、職場への出勤、屋外への運動や散歩など生活の維持のために必要な場合を除き、不要不急の外出の自粛を要請しています。特に、遊興施設など、いわゆる「3つの密」がそろう場への外出や集まりへの参加は自粛するを求めています。(特措法第45条第1項適用)

2 多数の者が参加するイベント開催についてのお願い
 事業者の皆様に対して、多数の者が参加するイベントの開催を控えるよう御協力をお願いしています。

3 県立学校への休業要請
 県立学校(特別支援学校を含む)について、県教育委員会に対して休業を要請しました。これを受け、県立学校は休業を延長することとなりました。県内の小中学校、幼稚園などについては、この方針を踏まえ、適切な措置を講ずるようお願いていします。

4 生活必需品の物資確保についてのお願い
 生活必需品などの物資の確保について、事業者の皆様には県民が安心して購入できる環境を整えていただくとともに、県民には冷静な対応をお願いしています。買い占めや売り惜しみなどについては、躊躇なく対応していくとのことです。

 

❖休業期間中の過ごし方
 さて、ここからが本題です(笑)。
 4月8日・9日の登校日にお伝えしたように、5月6日までは新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、学校は臨時休業となっています。ただし、通常の長期休業(例えば夏休みなど)と異なり、部活動も休止されていますし、不要不急の外出もできません。もっぱら家で過ごしてもらわなくてはならないため、時間の使い方がとても難しくなっています。ぜひ、これまで時間がなくて取り組めなかったというものにじっくり取り組んでみてはどうでしょうか。もちろん、課題もありますし、スタディサプリの活用による自主学習の機会もありますから、そうした学校から指定された学習活動をこなした上で、ということになります。
 資格取得のための自主勉強をスタートさせてはどうでしょう。生物や環境について学ぶいずみ高生ならではの資格に挑戦してみるのです。例えば、農業と気象との関係はとても深いので、平均合格率4~5%の難関資格ですが、「気象予報士」にチャレンジしてみるとか。気象予報士の最年少合格者は小学校6年生です。熱力学や大気大循環などの分野がやや難解だと思いますが、高校生なら可能性は十分です。実は私もこの資格をねらって勉強をしていた時期がありましたが、仕事との両立が上手くいかず、未受験のまま、ペンディング状態にあります。定年退職したら再び挑戦したい資格の一つです。
 もっぱら家で過ごさねばならいこの1か月の間、何か目標をもって、何かに挑戦してみてください。将来の自分をイメージして、それに近づくためのマネジメントを構築するのです。将来の自分の姿が思い描けないというなら、小説や映画を鑑賞して、その主人公の人生を疑似体験してみるのも手です。

 有意義に時間を過ごす、簡単そうで難しいことに皆さんはチャレンジしていることになりますが、ぜひ5月の連休明けには元気な姿で再開したいですね。いずみ高校の先生方も、感染拡大を防止するため、自宅での勤務(リモートワーク)を行っています。静かな学校となっていますが、中庭のイズミンは皆さんとの再会を心待ちにしていますよ。

 

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入学式(校長式辞)から

  本日、いずみ高校は入学式を実施しました。新型コロナウイルスの感染が拡大し、ついに「緊急事態宣言」が発令された中での式典でした。こうした状況下ですので、参加者がどれくらい集まるか不安でしたが、開けてみれば欠席はごく僅かでした。今日は午前中に第2学年の生徒の登校日でもあり、午後にはフレッシュな新入生を迎えることができ、学校がパーッと明るくなった思いです。やはり学校には子供たちの姿がないとダメですね。

 三つの密(密閉空間・密集場所・密接場面)の重なりを極力なくす形で式場をレイアウトし、新入生と教職員によるシンプルながら心温まる式典となるよう心がけました。新入生の皆さんはどう感じたのでしょうか。

  なお、今回の式場内に敷かれた「緋毛氈(ひもうせん)」は、この春の第56回卒業生からの卒業記念品(他にパイプ椅子もいただきました)です。真新しい緋色がお祝いの席を美しく彩ってくれました。緋色には生命力の意味があり、魔除けの効果が期待できるのだそうです。この緋毛氈が新型コロナウイルス感染症をはねのけてくれると信じます。
 第56回卒業生の皆さん、ありがとうございました。大切に使わせていただきます。

  

  

 

【校長式辞】

 ただ今、入学を許可いたしました、いずみ高校第二十二期生、二百三十八名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんの入学を心から歓迎いたします。
 本来であれば、保護者の方にも参列していただき、一緒に皆さんの入学を祝福するところでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、このような入学式となったことをお許しください。 

 さて、本校は、与野農工高等学校をその前身とするも、平成十一年に改組され、全国初となる「生物・環境系総合高校」に生まれ変わりました。東京ドームのおよそ一・五倍を誇る校地は、農業技術者の養成機関として、戦前から戦後にかけてこの地に存在した「農民講道館」から譲り受けたものです。いずみいう名は、「湧きて流れる泉の丘に」と歌い継がれてきた校歌の一節に由来しますが、この地が荒川水系の湧水帯に位置しており、かつて豊富な地下水が湧き出る「泉」が数多く点在していたことを、ボブ・デュランの「風に吹かれて」の邦訳者として知られる、野上彰氏が本校のために作詞したものです。
 是非こうした長い本校の歴史と伝統を受け継ぎ、「いずみプライド」を築い上げていってほしいと思います。そのために、新入生の皆さんに是非とも心がけてほしいことを、二つほどお話しさせていただきます。 

 一つ目は「大きな夢と志を描き、それを叶えてほしい」ということです。
 「夢を叶える秘訣は、四つの「C」に集約される。それは、『Curiosity(好奇心)』、『Confidence(自信)』、『Courage(勇気)』、そして『Constancy(継続)』である。」これはミッキーマウスの生みの親であり、ディズニーランドの設立者であるウォルト・ディズニーの言葉です。
 大きな夢や大志を抱くことは若い皆さんにはとても大切です、いや若者の特権だと言ってもいい。これからの高校生活を、なりたい自分を実現するための三年間と捉え、自分の夢や志の「種」を探し、育て、美しく咲かせてほしいのです。そして、こうした夢や志の種を花咲かせるため、ディズニーの言うところの「好奇心」、自分にもできるんだという「自信」をもち、挑戦する「勇気」を忘れず、あきらめずに「継続」して取り組んでいってほしいのです。
 人には生まれながらに持っている「天賦の才」があると言われますが、皆さんは「勉強やスポーツ・芸術などは持って生まれた才能によって左右される」と諦めていませんか。私が思うに、本当の才能とは「諦めない心」です。天賦の才よりも、実は、諦めない心の方がはるかに重要です。諦めさえしなければ、夢が叶う可能性は飛躍的に向上します。夢や希望が成就しないのは、能力がないからではなく、途中で諦めてしまうからだと思っています。
 このいずみ高校で、大きな夢と志を描き、是非ともそれを叶えてください。

  二つ目は、「昨日の自分を超えるために常に変化し続けること」についてです。
 日本の武道、弓道は知っていると思います。弓道は、他の武道がそうであるように、技術もさることながら、禅にも通じる精神を鍛錬する側面があります。弓の世界では「紅の一入ごとに色勝る、昨日の我に今日は勝れり」と教えられるそうです。一入ごととは一塗りごとという意味で、「紅花で染めた鮮やかな赤色は、その赤色を重ね塗ることによって深みを増していく。はじめは清楚な赤色であったものが、何回も何回も塗重ねることによって、高貴な紫に近い、紅の色に染まっていく」というものです。一入ごとの違いは分からなくても、稽古を重ねることによって、確実に色はその深みと美しさを増していくのです。つまり、この教えは、他の誰かと競争しているわけではなく、自分で決めた高みを目指し、己の限界に挑戦し、常にギリギリのところで頑張ることを伝えているのです。
 皆さんには、今の自分は昨日までの自分の積み重ねであると認識した上で、昨日の自分ができなかったことを今日の努力によって乗り越えていく、つまり「昨日の自分を超えていく」ことを実践してほしいと思っています。 

 このいずみ高校で、大きな夢(大志)を持ち、将来に向けて自己を磨き、常に昨日の自分を超えていくように努力してください。そのためにも、一緒に苦楽をともにできる「一生の友」を見つけ、諦めず、粘り強く挑戦する気持ちを忘れずに、様々なことに積極的に取り組んでほしいと思います。

 結びに、そうした皆さんの頑張りを本校の教職員は全力でサポートします。いずみ高校での高校生活を思い切り楽しむことを期待し、式辞といたします。 

 令和二年四月八日

    埼玉県立いずみ高等学校長 栗藤 義明

 

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「緊急事態宣言」の発令を受けた今後の学校運営に思うこと

 報道等でご案内のとおり、政府は7日夜、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)に基づく「緊急事態宣言」を発令しました。埼玉県の大野知事はこれを受けて埼玉県内の緊急事態措置を示し、併せて埼玉県教育委員会は学校休業の延長について発表しました。
 大野知事の緊急事態措置は、限られた医療資源を上手に活用する(医療崩壊させない)ため、これ以上の感染者の増大を食い止めることを目的に、特措法第45条第1項を適用して「不要不急の外出をしないこと」を県民に要請することとしたようです。これは神奈川県、千葉県とほぼ同じ対応であり、東京都は特措法第45条第2項の適用までも検討しているようですので、東京都と隣接3県とでは少し対応が異なる状況にあることになります。

 いずれにしても、国がこれまで抜いてこなかった「伝家の宝刀」をついに抜いたということになります。
 いずみ高生の皆さん、この重みをどうか分かってください。国難もいよいよこの段階まできているのです。世界中に蔓延する新型コロナウイルスのことを考えると気が重くなってしまいますね。ですが、今朝は2年生の登校日であり、しばらくぶりに生徒の姿を見ることができ、とても元気づけられた思いがします。やはり教師というのは、生徒たちからたくさんの元気をもらっているのだと改めて思った次第です。

 今朝は生徒が一堂に会しての始業式を行うことはできませんでしたが、校長としての今の思いをペーパーにまとめました。ぜひ保護者の方と一緒に読んでみてください。

 

【生徒に配付した「校長講話」から】

 今週Twitterでは「#国のせい」がトレンド入りしました。新型コロナウイルスの感染拡大とそれに対する国や各地方自治体からの相次ぐ自粛要請により、人々の間に「自粛疲れ」が起きているからなのでしょう。人々の心がだいぶ荒(すさ)んできているように感じます。誰かのせいにしたいという気持ちは分かりますし、国のせいだとかリーダー個人のせいだとかいいたくなる気持ちも分かります。しかし、冷静に考えれば、諸外国の状況をみても、これという成功例はありませんし、おそらく今は全人類の叡智を集めたところで絶対的に正しい解に導けないのだと思います。だからこそ、一人一人ができることを世界の人々と一緒に乗り越えていかねばならないのです。まずは自分を守る、そして家族を守る、同時に社会を守るということ第一に行動してください。

 リスクをコントロールするということは、プライオリティ(優先順位)を考えることに他なりません。医療の現場には「トリアージ」という言葉があります。災害や大事故の現場において手当の緊急度に従って治療や搬送の優先順位を決めるというものです。限られた医療資源を効率的に配分し、最大限の人数の命を救うための方法がトリアージなのです。救急救命(ER)を舞台としたドラマ(コードブルーの写真)の中にも度々登場しています。主人公の台詞に「ここで悲しんでられない。俺たちは、助けられる患者を助けるんだ。」というのがあります。

 トリアージは元々、フランス軍の野戦病院にあった「戦場トリアージ」に由来しますが、今の医療現場は、ある意味、戦場に置かれているような状況だと言えます。爆発的な感染者増大に医療崩壊をいかに防いでいくかが、国や自治体の最も上位のプライオリティとなるわけです。

 学校の休校や再開もこうした中でコントロールされています。生徒の命を守るという観点と生徒の学びを保証するという観点との間で、どちらを優先させるべきかが問われています。大勢の人々が集まることを避けなければならないのは医学的・防疫的には自明のことです。しかし、このことには、経済活動をすべて停止することと人々の暮らしを守ることとの間で揺れ動いているように、なかなか難しい価値観の衝突があります。新型コロナウイルス感染症においては、子供や若者は感染しにくい、あるいは死亡率は低いとされていますが、ということは、別の見方をすると、無症状の軽症感染者として「媒介者」になるリスクがあるとも言えます。つまり、若者たちが感染拡大に拍車をかける可能性があるというロジックが成り立つわけです。だからこそ、 皆さん方には慎重な行動が求められているのです。

 また、しばらく皆さんには会えなくなりそうですが、どうか感染症拡大の防止に力を貸してください。最後に、そのことについて述べたドイツのメルケル首相(イラスト)のメッセージの一部を紹介します。
「一人一人がその行動で、感染の広がる速度が遅くなるよう、医療システムに過大な負荷がかからないよう、貢献しようということです。そのために私たちは取り組んでいます。命を救うための取組です。」

 

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