校長室から

2020年8月の記事一覧

第2学期始業式(放送による講話)

【校長講話】

 まずはこの曲を聴いてください。
 この曲はアイドルグループ嵐が唄う「カイト」です。今年開催されるはずだった東京オリンピック・パラリンピックのNHKソングとして書き下ろされたものです。今年いっぱいで活動を休止する嵐のため、最高の楽曲とするべく、米津玄師さんが作詞作曲を手掛け、リーダーの大野智さんがCDジャケットのための絵を描くなど、大変力の入った作品となっています。「カイト」はオリンピック・パラリンピックの応援歌として日本を盛り上げるはずでしたが、残念ながらこの夏は大会を応援する歌として聴くことはできませんでした。この曲が制作・発表された昨年末の段階で、誰が今日のような状況を想像し得たでしょうか。

 この曲からイメージされるものは、圧倒的な高さと広がりをみせる「青い大空」です。大空は自由や未来、広大さを象徴するとともに、頭上はるかまで広がる空間としての、未来や無限の可能性を願うという意味が込められています。誰もが幼いころ心に思い描いた「夢」「希望」「憧れ」、そうしたキラキラしたものを「凧(カイト)」に乗せて、自由で無限の可能性をもった青い空に飛ばしていく様子を想像させるものです。糸を離さないようにギュッと握りしめていたという表現も、幼いながらに抱いた想いの強さとして汲み取ることができます。アスリートやこれからの時代を担っていく若い世代を応援する楽曲として、頑張っている人が救われるような優しさに溢れていて、爽やかな感動を覚える歌に仕上がっています。私も大好きな歌の一つです。

 そして、煌めく⼀番星をそばに感じることで、憧れた未来に届いたことを想像する彼は、ふと家族のことを考えます。自分がここまで来れたのは、両親や家族の温かい愛情や支えがあったからだと気づき、今の自分は誰かに⽣かされているということを知るのです。歌詞の中に、“母は言った「泣かないで」と”、“父は言った「逃げていい」と”というフレーズが出てきますが、おそらく、「再び立ち上がるのよ」という母の思いと、ギリギリのところで努力をしてきたことをよく知る父の「逃げてもいいんだぞ」との思いを綴ったものなのでしょう。「逃げてもいい」という歌詞は応援ソングには馴染まないものですが、いつも少年をそばで支えていてくれた両親からの言葉として彼にとっての救いの言葉となったのだと思います。

 皆さんにもそうした家族の方の愛情や支えを感じる瞬間はありませんか。それらを感じたら 是非感謝の気持ちを言葉にして伝えてみてください。そうした大切な人に支えられて自分は生かされているのだと感じることで、他の人にも優しく接することができるはずです。コロナ禍と言われる昨今ですが、だからこそ、優しい人になってほしいと思います。 

 さて、その新型コロナウイルス感染症は「第二波の真っ只中」にあります。すぐ近隣の県立高校でも陽性患者やその濃厚接触者が複数表れるなど、事態は対岸の火事とは言っていられない状況です。引き続き、一人一人が「登校前の検温」「マスクの着用」「手指の消毒」等に努め、学校においてはフィジカル・ディスタンスを意識して生活するようお願いします。また、1学期の終わりから夏季休業期間中にかけては「部活動」での接触が原因と思われる感染が数多く発生しました。今日から部活動はコロナ以前と同等の活動が可能となりますが、感染症を防ぐためには、備品や用具の消毒もさることながら、体力や免疫力を低下させないことが大切です。そのため、次のルールを守ってください。「平日の練習は120分程度、土日など学校が休みの日は180分程度の練習とすること、また、週に2日は練習を休むこととし、1日は毎週木曜日に、もう1日は土日いずれかの日とすること」です。これらはスポーツ庁、埼玉県教育委員会が定めたガイドラインによるものです。毎週木曜日を一斉の部活動休養日とするというのは、いずみ高校のローカルルールですが、木曜日を一斉に休むことで、体力の回復と用具の消毒等を行えると同時に、課題研究や資格試験のための準備などに充てることも可能となり、部活動と学科の取組等との棲み分けが容易になります。顧問の先生とよく相談して、できるだけ木曜日を休むよう協力してください。こうすることで皆さんの免疫力の低下を防ぐことができ、新型コロナウイルスに負けない健康な身体を維持することにつながると考えています。

 短い練習でも集中して取り組めば、十分効果が上がります。知っている人も多いと思いますが、静岡の聖光学院ラグビー部は、週3回たった1時間の時短部活で、花園での全国高校ラグビー大会への出場を果たしています。集中力こそが力です。皆さんもメリハリをもって取り組んでください。

  集中力と言えば、先に紹介した嵐のリーダー大野智さんもこんな話をしています。大野さんは曲の振り付けのために一人でスタジオに籠ることがあるそうですが、考えながら曲に合わせて体を動かすのはとても大変な作業で「集中力は3時間が限度、疲れたら帰る」と述べています。歌にダンスにそして芸術にと、多彩な才でマルチな活躍をみせる彼も、短い時間でしっかり集中して取り組む方がよいパフォーマンスを発揮できるということを知っているのです。

 コロナ禍で楽しみにしていた様々な学校行事が中止となってしまう2学期ですが、その分を 学びや資格取得等に集中して取り組んでみてください。集中力こそがその人の真の力なのです。

 

配布した講話資料はこちらから

 

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