校長室から

2022年3月の記事一覧

第58回卒業証書授与式 式辞 を掲載します。

埼玉県立いずみ高校学校

 第五十八回 卒業証書授与式 式辞

 

 春の兆しが日に日に強く感じられるようになってきた今日の佳き日、本校PTA会長 〇〇 〇〇 様をはじめ、多くの保護者の皆様にご臨席を賜り、こうして「埼玉県立いずみ高等学校 第五十八回卒業証書授与式」を挙行できますことは、コロナ禍による様々な困難がある今日の状況を鑑みますと大変ありがたいことだと思っております。

 感染症防止の観点から、すべての在校生の参列を叶えることが出来なかったのは誠に残念ではありますが、在校生のすべてが、温かい気持ちで卒業生を祝福する思いでいることを、この場をお借りして、お伝えさせていただきます。

 

 さて、本校第五十八回卒業となる二百三十名の卒業生の皆さん、卒業誠におめでとうございます。

 振り返ると皆さんの高校時代の3分の2は、新型コロナウイルス感染症により臨時休業や学校生活に制限を課せられ、学校行事が中止や延期となり、我慢を強いられ、今に至っています。充実した高校生活であったかというとそうではなかった状況でした。

 このような状況は、あらかじめ予測できていたことではなく、急に訪れ、ソーシャルディスタンス、三密回避、不要不急の外出制限など、新しい生活様式を求められました。まったく、不意なことで、対応に戸惑ったことだと思います。

 このような急激な転換は、この後も日常生活が一変するようなパラダイム転換が別な形で起こることが予測されています。

 過去には、ちょうど十一年前の今日の日に、東日本大震災がありました。いまだに避難生活を余儀なくされている方がいらっしゃいます。

 現在では、車の会社は脱炭素社会を目指し、2030年までに、電気自動車への切り替えを進めています。

 さらに、オックスフォード大学などの研究では、AIの発展により、今後10〜20年の間で約半数の仕事が消える可能性があると言っています。これは終身雇用の形態が崩れることを示唆するものです。

 このように、今後の社会は、見通しのつかない、予測不可能な社会へと変化していくと言われています。

 このような社会を生き抜くため、このコロナ渦での経験は、我々に適応能力を試しているというように考えれば、ある意味、良い経験になったとも考えられなくはありません。

 世界中の人々がコロナ渦の同じ状況に置かれています。まだまだいつ日常に戻るかもわかりませんが、いつまでも嘆いていても、何も始まりません。

 前を向いて進むしかありません。

 そうしたコロナ渦のところ卒業生の皆さんとは、令和三年度の一年間のお付き合いでしたが、印象に強く残っているのが、昨年十一月の延期に延期して実施できた体育祭です。三年生の皆さんがクラス一丸となって体育祭に臨む姿を後輩たちに見せられたのは、今後も続くコロナ渦での学校生活をどう過ごすべきかを後輩たちに示してくれたものでした。

 このように、いざとなると「やるときにはやる」という強い気概を持ちつづけ、社会人となってほしいと思います。

 

 保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。

 本校入学時と比べて心身ともに立派に成長した卒業生の皆さんの姿を、職員一同とても頼もしく思っております。そして、この卒業を機に、さらなる大人としての成長を遂げてくれるものと期待しております。お子様の在学中、本校教育活動への格別のご支援とご協力をいただきましたことに、改めて衷心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 結びに、第五十八回卒業生の皆さんが、先行き不透明な社会に向かって果敢にチャレンジして、素晴らしい人生を歩むことを心から祈念申し上げ、式辞といたします

 

 令和四年三月十一日

                埼玉県立いずみ高等学校長 小川 剛

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